『ジェイルバード』
「籠の鳥」=「囚人」を意味するそれは、建て前だけの平和という退廃と腐敗の中に巣食う停滞と不景気という名の動乱の世において結成され、世の欺瞞に立ち向かう組織、カードの切り札である。
神話の双魚宮二十世紀末から人が神の手を離れた宝瓶宮二十一世紀現代、近未来、さらには核融合炉連鎖爆発による文明の崩壊を駆け抜け、文明の衰退したはるか未来においても「籠の鳥」として歴史の闇に存在する。
もともとは、有志の十代二十代の民間人の若者たちが結成して起こした、ヤングマフィアである。メンバーは、魔王率いる十二名の魔法使いとされる。
食べ物のしゃぶしゃぶを、麻薬のシャブと思い込ませて売りつける等、ドきついギャグの効いた悪徳?商法で、一躍巨万超億の富を稼いだ。
中でも一番の功績は、戦車を売りつけると見せかけ、中古車に洗車をサービスして輸出し、各国間の戦乱を激減した。
痛快な愉快犯にして平和運動の担い手。素手での格闘技や体術をはじめスタンガンや竹刀、催涙ガスに煙幕などを駆使し、致命的な武器を決して使わず、殺しをしない(現代編では)。
初代ボス(正確には二十一世紀のファースト・デッキ)は加科一典。もっともそれ以前のゼロ・デッキ、マイナス・デッキ、未来に異世界のアナザーデッキも存在する。
ただし、真の主人とされているのは現代編では電脳世界の魔王神無月真琴(魔言)、未来編では竜騎兵撃墜王ダグア(仕込杖の軍士)。
『日本中央バイオニクス』(略して日中バイオ)
遺伝子工学を取り扱う新興の大企業。人工的な新種の生命の開発に携わる。創始者は神無月教授(神無月真琴の父)。
莫大な財力を有したところを野心家に乗っ取られ、教授は地位を追われる。過激派資産家連中は、防衛省と密約を結び強大に膨れ上がった権力を武器に世界を牛耳る陰謀を巡らす。
亜人(人間の遺伝子を操作して作られた新種の人類、妖精、鬼、小人等とそれらの雑種、さらには人間の血の混じった半妖精に別れる)を新種として開発するが、開発者神無月教授の意図していた従来の人間との平和的な共存の方針は潰され、亜人は奴隷の地位に貶められる。
他には魔物、飛竜(ドラゴン、太古の恐竜を人間並みの知性と炎の吐息、空に飛べる翼を持たせたバイオ兵器)等、数々のキメラ(合成獣)を開発して軍事利用を目論む。
亜人たちには、鬼の奴隷ないし白兵戦部隊、妖精の知能労働ないし風俗利用、小人の雑用召し使いなどをさせている。ドラゴンの背に人を乗せて戦う竜騎兵部隊を編成する。
ちなみに姉妹企業に日本中央ナノテクノロジー(日中ナノテック)が存在し、精密電子機器部門の兵器開発を行っている。
「シュリーク」「ソードダンサー」等、現代編通してジェイルバードの敵役として登場。