以下は先年の衆議院選前に、わたしが民主党に送り付けたファックスの抜粋です。いまとなっては時すでに遅し、ですが。
単に人が生きていくだけなら、食糧事情を整えれば済むはず。科学技術が進歩しているのに、貧困不景気なんておかしい。不景気っていうけど、国内の食材の三分の一は廃棄されているという。それなのになんでホームレスやネットカフェ難民、ワーキングプアがいるのか。
なぜ現代の文明社会があるのか? 産業革命以来、化石燃料を消費することによって飛躍的に経済発展したのは歴史的・科学的事実だ。数億年の蓄積を、ほんの数百年で燃やし尽くす。日本はオイルショック以降、低燃費低公害の工業を実現し、世界に大いに貢献してきたはずなのに。
「単に」としたのは理由がある。人はパンのみで生きていけない。ただ、生きていられるという現状では満足できない。だから文化面の充実、国家ではなく個人単位の理想と夢の昇華なくては。それを言うならこの情報化社会、文化面では過去より満たされているはずなのに、不満は絶えない。
もし単に国民所得と国内消費を上げるなら、貨幣の発行高を増やせば済むだけの話だ。無論それでは円安、おまけにインフレが起こるが。一見、膨らむ一方の国債も解決するかに思える。しかしバブルのころの円高とは違い、国際的競争力を失うのは自明。政府はそれをせず、バブル崩壊以降デフレ経済、外国から見ても安全な強い『円』を保ってきた。
バブル崩壊後のいまの不景気は政府の陰謀では、などと疑ってしまう。資源の消費と環境破壊、人口の増加を抑え、人類が地球を食い潰すのを節制する政策。
経済と一口にいうが、資本主義自由競争経済において、現代は過渡期を過ぎている。
需要と供給の問題だ。需要が間に合っているのに、必要以上の供給はいらない。
いくら過剰に供給の商品を競って作ったところで、売れるわけもない。すると、過剰生産分はゴミ、過剰に生産した費用は回収できず赤字となる。労働者がいくらがんばって働いたからといって、働けば働くほど貧乏になる悪循環となる。
すると赤字穴埋め分に、売れ筋商品の単価が上がるという皮肉なパラドックスに陥る。逆に売れない商品は在庫を処分するためだけの捨て値となり、売れても利益は上がらない。ダンピングじゃあるまいし。これでは景気が上向くはずもない。
こんな現状を無視していまも過去から変わらず各省庁は年末に予算を残さないとのお役所仕事で、無駄な公共事業等に散財している。いくら大手企業の受注と労働者の雇用確保(と、一部では官僚の権益かな?)のためとはいえ、そんな金、すべて年金と福祉と教育に回せばいい。
一方で少子高齢化が進む中で、ホームヘルパー等の高齢者・障害者福祉は重労働低賃金という事態に陥っている。需要があるどころか拡大する市場のはずなのに、予算が回らない現状。いくら支出収益は無いところとはいえ、税金はこうしたところに注ぎ込むべきだ。
昨年原油高のため、漁船は出港すれば大漁は間違いないのに、燃費で赤字になるから漁業ができないという事態に陥った。オイルメジャーが単に原油高を下げれば、経済問題なんて一気に解決する。なのに、環境問題的にもそうはいかない。節制と技術躍進が政府の狙いですか?
ここで日本の栄えある新技術、新型太陽電池、バイオエタノール燃料、その他代替される新エナジーをインフラ整備できれば。いままで頼ってきた化石燃料が枯渇する、その前に手を打たなければ、文明は維持できなくなる。それを防ぐために、いまなら、まだできるかも。しかし国家が貧窮し、打開策を打とうにも資金不足で身動きが取れなくなってからでは、遅いのです。
付け加えるなら、情報化社会の皮肉な一面もあります。過当競争です。ほんらい、商売とはなんらかの利益を目論まずには成り立たなかったはずなのに、情報戦の結果あまりの過当競争故、ろくにもうけが出ていないのでは? だからその利益分を回収するため消費税なんてものが生まれたのかもしれませんが。過去、日本は消費税なんてものなくてもやってこられたのに。消費の5%、それとも未来の10%以上も税金を取らなくては成り立たない経済ってなんなんです?
銘記すべきは、地球の生命を支えているのは、すべて太陽のエナジーということわり。化石燃料に限らず、太陽電池もバイオエタノールも水力発電もすべて太陽のエナジーだ。その熱量、つまりカロリー的には人類どころか、全生命を育めるエナジー。しかも地表に降り注ぐ、ほんの一滴なのだ。他の太陽光線は虚空に放射され消えている。この物理的事実をどう受け止めますか。
以上