断髪直後の女が

スーパーの御手洗いに立ち寄る。

 

はたいて貰っても、ほぼ甲斐なしの

「私」から分断された前髪が顔面にへばり付いている。

 

一本一本、本当の ”サヨナラ” をし、

ザックリ出した耳が

マスクをしっかり持ってくれて、気分もいい。

 

退出。

 

入れ違いのマダムの眼差しが、只事ではない。

 

『ここから、男 !?』

 

マスクを剥がして釈明するより

足早に、逃げる。