原作小説は未読。例によってネタバレは含みません。

【概要】
自在に瞬間移動できる人の話。
だが、「瞬間移動って便利だね、うらやましいね」で終わらせず(それで終わらせちゃ映画にならん)、瞬間移動を阻止しようとする連中との戦闘が中心となる。
これに、明らかに蛇足と思われる恋愛要素(後述)が加わっている。

【主人公の人物像】
本作の主人公は、ジャンプ(瞬間移動)能力をフル稼動させて銀行からの窃盗を繰り返し、豪奢な生活を送っている。
つまり、勉学や勤労に携わる事なく裕福な暮らしをしており、そのせいか、危機管理や判断力が著しく劣っている。
一手先を読むことすらできず、およそアクション映画の主人公としては不適格であり、ハッキリ言ってバカである。
バカゆえに無用なトラブルを発生させ、そのトラブルをもってドラマが構成されている。

【瞬間移動の映像】
映像によって瞬間移動を表現する事は実に簡単で、単にカットを噛ませればいいだけである。
よく、バラエティ系番組のロケシーンで別のロケ現場に切り替える際、出演者がピョンと飛び上がり、カットが入った次のショットで、その出演者が着地するところから始まる、というものがある。
これが最も簡易な瞬間移動映像の例である(古いところでは、仮面ノリダーがこれを多用していたはず)。
これに対し、同一ショット内で(つまりカットを噛ませないで)瞬間移動を表現している点が、本作の主眼である。
おそらくは、背景合成や動きを記憶できるキャメラ(名前忘れた)を使用しているものと思われるが、どうやって撮っているのか分からない映像も多かった。

【殺陣】
特に、瞬間移動を多用してのアクションは、まさに見所というにふさわしい。
瞬間移動で敵との間合いを詰めたり、ロケーションを激しく変えながら攻撃し続けたりと、通常の殺陣では絶対に出てこないアイディアが実現している。
文字通り、未知の殺陣を観ることができた。

【恋愛要素】
完全に蛇足である。
ジャンパーとその敵、というピースが揃っている時点でアクション映画として既に成立しているのであり、あえて恋愛要素を入れ込む必要性は全くない。
これを入れ込んだせいで、他を圧迫する結果となっている。すなわち、ジャンパーと敵の、キャラや対立の描写が希薄である。
恋愛要素をわざわざ残した製作者の判断に疑問なしとしない。


【総評】

瞬間移動の映像はすげーイイ。

これだけでも、観てよかったと思えた。