双葉双一ムーンウォーク大披露ツアー2009ファイナル/大阪ムジカジャポニカ(09/12/20)


1.I think that 以下
2.氷の上の乙女
3.岬の上
4.天使とドライブ
5.タワーホテル
6.手に捧げる歌
7.瞬き分の夜
8.誰のためのお客さん さて君は?
9.お嬢さん気をつけて
10.密漁の夜
11.お嬢さんよろこんで
12.インザナイトマイフェスティバル
13.夜の底


14.ポケットと冷たい手
15.お高くとまった季節
16.クリスマスに誕生日


17.もう少し歌うから
18.ピクニック


19.旅に出なさい



最初に断っておくが、このライブには足を運んでいない。
それどころか、12/18の高円寺のU.F.O.クラブのライブすら行っていない。
そのため、演奏面については何も論評できないし、下手をするとセットリストに誤りがあっても分からない。
しかし、このライブについては密偵から詳細な報告を受け、様々な興味深い試みが行われたことを知った。
セットリストも入手できたため、せっかくなので「さも観てきたかのように」ライブレポを上げてみたいという想いが募った。
「嘘、大げさ、紛らわしい」といった点があれば、公共機関でなくコメント欄などでご指摘いただきたい。


この日の少し前に、ムジカジャポニカの年内のランチタイムは終了しており、昼にカレーを食べることは出来なくなっていた。
だが、夜には普通にジョンソンtsuが店内で働いており、直々にドリンクを手渡してくれたそうだ。
「再度の東京公演(千葉でも可)」や「第二回ジョンソンまつり」を、ぜひ依頼してほしかったところだが、こちらのレポで要望しておくことにする。
ジョンソンtsuのブログも、唯一無二の世界のブログで、「アタックオブザキラートマト」というB級映画のパロディなどは、そのニッチさに感動させられた。
個人的に一番好きな「片岡編」に再度突入したので、続きを楽しみにしている。
ライブも、年明けにはまた多く行われるようで、関西在住のファンが羨ましいところである。


翌日が京都の「拾得」でのライブで、この日は関西圏で視聴率が高いM1グランプリ(自分は、今年初めて見た)の放送と被ったということもあり、夏に大入りになったときよりは少な目の客入だったようである。
23日にムジカジャポニカで演奏する沢田ナオヤも、この日は観客として来場していた。
おそらく、お気に入りのスパワールドに入りびたりの関西滞在であろう。
スパワールドは、老若男女問わずお薦めの施設である。


やがて、双葉双一の登場で、この日の衣装はお似合いであった。
黒を基調とした帽子と外套を羽織り、よい雰囲気を持っていた。
「I think that 以下」で、この日のステージがスタートする。
「氷の上の乙女」は、フィギュアスケートのテーマであり、この季節には相応しい曲である。
夏にムジカジャポニカで聴いた「束の間の二日間」などは夏に相応しい曲だが、冬の会場では冬の曲がやはり映える。
ちなみに「あなたはなぜに横顔なの」というフレーズは、「インザナイトフェスティバル」にも共通で使われている。
最近定番となっている「岬の上」に引き続き、「天使とドライブ」と「タワーホテル」と初期の名曲が演奏される。
「タワーホテル」は、日によって速さも溜めも音の高さも(柏は6カポ、以降は7カポが多かったように思う)まちまちな、まさに生演奏である。
この日は、大阪の空の下、どのような演奏が披露されたのであろうか。


「手に捧げる歌」は、なんと口パク・手パクで演奏した。
難しくて長い部分があるからのようだが、詳細は分からない。
また、東京や京都などでも、同じ試みが行われたのかは分からない。
もしかすると、勝手知ったるジョンソンtsuがPAを担当していたがために可能だったのかもしれないが、ムジカジャポニカ以外の情報をお持ちであればご一報願いたい。
12/18のライブの紹介文には「前回ライブは全曲口パク手パクで行った」旨記載されていたが(ライブ終了後削除済み)、もちろんそのようなことはなかった。
SMAPはソロパート以外はマイクをオフにしてあるという噂があるが(真偽不明)、広い会場でなければそれも不可能である。
もしかすると、紹介文はこの企画のための一種の告知を行っていたのかもしれない。
とにかく、大変口パクも手パクも見事にこなし、観客から大いなる喝采を受けることとなった。


「瞬き分の夜」も、演奏頻度が高い。
「誰のためのお客さん さて君は?」と続く。
「お嬢さん気をつけて」は、しばらく聴いていない。
双葉双一の曲を初めて聴くのによい曲として、ファーストアルバム発売時に紹介されていたと思う。
「お嬢さん」シリーズの中では、世界が集約せずに、広がりを見せているところがあり、その点が気に入っていたのであろうか。
「密漁の夜」は、友部正人のカバー曲で、阿佐ヶ谷のヴィオロンでも演奏されている。
今月に友部正人の生演奏を聴く機会があったが、残念ながらこの曲は演奏されなかった。
ぜひ比較してみたいところではあったが、いずれその機会も来るだろうか。
ヴィオロンのときは本人の曲以上に真剣に演奏していたのであるが、今回もおそらく同様であろう。


「お嬢さんよろこんで」は、「友部作品の後に持ってきても恥ずかしくない」という自負を持っているからこその曲順であろう。
この曲は、聴かなくても最高の出来であったことが容易に予想が付く。
「森に住んだり、小川を飛び越えたり、意味深いことをそっと、してあげるよ」という美しい歌詞の世界は、もともと評価できる曲である。
だが、音源化後この曲は音楽的に進化を続け、長いハーモニカの後奏が映像化された歌詞の余韻を常に与え続ける。
本当にシンプルな旋律にも拘らず、これだけのものに仕上げられる緻密な才には脱帽させられる。
「インザナイトマイフェスティバル」は、今回一人での演奏であった。
ジョンソンtsuとの共演も期待されたが、今回はPAか何かに専念していたようだ。
「横顔」の一節があるため、「氷の上の乙女」と同じステージで歌われるのは意外であった。


本編最後の「夜の底」で、再度のサプライズがあった。
ピアノを弾き出し、歌い始めたことである。
ピアノが置かれていた会場は、今までにも何箇所もあった。
だが、ピアノを弾きながら歌ったのを観たことは、今までなかった。
そう言えば、本人の昔のブログ(受験生編)のときに、ピアノを弾いてた写真があったような記憶がある。
曲後、「やあめたやめた」と、ピアノの前から立ち去り、下手へ退場する。


ここで、やっとムーンウォークの披露となる(最近始めたtwitterでも既に記したが)。
「~に教えてもらった」「彼は小学校のときから~前にもムーンウォークができる」「こんなの2流ですよ、M1見なくていいんですか」と、自身を謙遜する言葉を唱えていたらしい。
そう言えば、阿佐ヶ谷ヴィオロンのときは、阿佐ヶ谷駅からムーンウォークで会場入りしたと言っていた。
この日も、ムジカジャポニカまでムーンウォークで会場入りしたのだろうか。
沢田ナオヤとジョンソンtsuと、皆足が細い人間同士で並んでムーンウォークをすれば、さぞかし絵になると思われる。
話は逸れるが、「小学校のときから」というムーンウォークの師匠の話は、おそらく本当であろう。
マイケルジャクソンは、義務教育の教室の中まで大きな影響を及ぼした唯一とも入れる人物であったであろう。
今では信じてもらえないかもしれないが、ムーンウォークが全盛の時代、休み時間になると廊下や教室の後ろでは皆ムーンウォークで歩いていて、自分だけが普通に歩いている方が異様であった。
また、教室の床は蝋が一面に塗られていて、その滑ること滑ること(ムーンウォーク仕様の床)。
掃除の時間に机を少し押しただけで、「スー」と教室の端まで摩擦係数を減らした机が何とも順調に進んでいく。


アンコールに応えてまず3曲披露されるが、どれもこの季節らしい曲であった(「お高くとまった季節」もおそらくそう。
特に、「クリスマスに誕生日」は、この1週間が一番相応しい曲である。


再度の登場で、今度は音源化されていない2曲が、連続して演奏される。
「もう少し歌うから」は、アンコールのために作られたといっても過言ではない歌詞である。
「ピクニック」の「あいーとーへいわー」のコーラスも、前回は感動的なぐらいに会場と一体化して客席中から声が聴こえたが、今回はそれほどではなかったとのこと。


まさか「ピクニック」で終わりではないだろう、という会場全体の予想があったようで、3度目のアンコールは一番新しい「旅に出なさい」で終了する。
この曲が初演されたときに聴いたが、「旅に出なさい」は「手に捧げる歌」以降の創作世界の中で、最大の傑作にもなりうるだけの素晴らしい方向性を持っている。
前にも同じことを書いたかもしれないが、「お嬢さん」的テーマへの固執を捨てながらも、目に見えない小さな大切なものにあえて目を向けていこうという志向が感じられる。
同じ日に初演されたと思われる「ハッピーエンド」は今後どれだけ再演されるか分からないが、「旅に出なさい」は双葉双一の魂が滅びるまで歌い続けられるであろう。


この日は、演奏の出来は評価できないが(そりゃそうだ)、季節にも相応しい質の高いセットリストで、「口パク・手パク」「ピアノ演奏」「ムーンウォーク」と三つの見せ場があり、おおむね満足できたのではないだろうか。
双葉双一のステージは、楽器の数が多いわけではないのに、選び抜かれた言葉のフルコースで、終演後精神的な満腹感を覚える。
この文章を書くために歌詞カードを眺めるだけでそうした気分になるのだから、ステージを堪能した聴衆も同じ満足感を持つに至ったのではなかろうか。


思えば、昨年の今頃は、双葉双一の歌を一曲も聴いたことがなかった。
それが、知久寿焼とのツアーを観たことで(沢田ナオヤとの出会いも知久寿焼ライブだった)、何度もライブに足を運び、アルバムも全部揃えることになった。
新参ものが何度もレポを上げることは諸方面から心苦しく思われているかもしれないが、唯一無二の世界を築く表現者の活動を多くに伝えたいという思いはある。


来年も、「オレとナオヤの新春ロングトーン」が国立(くにたち)の「地球屋」である。
2月には西荻窪のビストロサンジャックで「ひくつ系音楽会Vol.2~」があり、こちらも素晴らしいメンバーである。
共演の日比谷カタンは、前回共演のときに後から動画を検索して、行けなかった身の不幸を嘆いた(ジョンソンtsuも共演だったのでなおさらである)。
山田庵巳は、名前を知らなかったので検索したが、自分のために音楽を創ってくれたかのような個人的なツボに入り、毎日のように動画を鑑賞している。
歌詞の世界だけなら双葉双一や原マスミの方が上だが、隠しようのないクラシックギターのバックボーンと徳永英明や沢田ナオヤ、佐藤伸治あたりに通じる声質が心地よく、これを生で聴けるかと思うと、今から興奮で夜も寝られない(朝は眠たいが)。


大切なことなのでもう一度断っておくが、今回のライブレポは自分が足を運んでいない、伝聞情報と過去の情報を組み合わせただけの「架空ライブレポ」である。
「三つの見せ場」を記しておきたい欲求に駆られ、密偵から情報を聴取して、あたかも観てきたかのように書きとめたものである。
だが、実際に聴いていない分、自分の好き放題に書けて意外と楽しかった。
もし、今後も情報さえあれば、似たようなライブレポを書き記したいと思う。