2年ぐらい前、ランチタイムに足を延ばせるところで働いていたので、銀座のデリーによく行った。
祝日でない月曜日が一番の楽しみで、当時の限定メニューはスーパーカシミールカレーであった。
記憶が飛んで思い出せないが、確か20~30人で品切れであったと思う。
遅れていくと、当然限定数に達してしまっていることもあった。
月曜日は大変祝日が多く、正月なども出てこないので、一年でこのカレーを食せるのは1編成の地下鉄の乗客の数よりも少ないかもしれない。
カシミールカレーには激辛のラベルが強く貼られてしまっているが、このスーパーカシミールカレーには別のラベルも貼られていた。
ルクルーゼの上品な壷の蓋を開けると、新鮮なスパイスの香りが飛び込んでくる。
口に入れても「辛い」ではなく「美味しい」という思いと、口の中に広がるスパイス感だけがじわじわ広がっていくだけだった。
鶏肉も新鮮で柔らかい肉を厳選しているようで、生でも食べられるのではないかというフレッシュ感が味わえた。
ランチタイム終了時刻すれすれでたまたま口にできたときには、少し辛く感じることもあったが、おおむね充実したランチタイムに貢献していた。
職場が少し遠くなったが、今年久々に仕事に休みを入れて銀座のデリーに向かった。スパイスの蒸気が上がるあの壷が出されるのを心待ちにしながら。
ところが、待っていたのは大きく変わってしまった献立表であった。
当時裏メニューであったはずのバターチキンか何かが代わりに入っていて、スーパーカシミールカレーは昔あったことさえ思い出させない消えっぷりであった。
傷心の中、店員に献立の有無を尋ねると、昨年いっぱいで終了した旨の返答があった。
普通のカシミールカレーを食するが、何かが違う。
これはこれで美味しいのだけれども。
雰囲気的には、上野のデリーのほうがカレー屋っぽくてよい。
横浜のカレーミュージアムにも珍しい小サイズの献立があった。
だが、ここまでよい素材でスパイシーなカレーを、二度と味わうことができないのかと考えると寂しくなる。
値段は多少張ってもよいので、夜か予約専用かの献立で構わないので復活させてほしい。