夜風が髪を撫で上げた。
つかのま、蒸し暑さを和らげてくれる。
画角は35mmフィルムの135mmレンズに相当。
ISO800 1/15sec f=2.8
写真の心得がある人なら、おわかりいただけるだろう。
手ぶれ補正を使用しても追いつくものではない。
それでもストロボは使いたくなかった。
理由は、髪のゆらぎ。
ストロボを使ったら髪は止まって見える。
そんなもったいないこと、したくなかった。
とっとの顔は、少しブレた。
だが、マイクの網の目はクッキリ。
ということは、顔の動きでブレている。
いったい何回、この歌を聴いただろう。
ここで動きが止まる、ということを把握していれば
防げる問題ではないか。
撮らずに、じっと観察する。
つぎこそは、バッチリといいたいところだが
同じように夜風が吹いてくれるかどうか?
その瞬間は、ただ待つしかない。
いまはその口惜しさを糧にするのみだ。
