レンズは、かつて「標準」と呼ばれた50mm f1.4。
一眼レフを買うとき、最初の一本として必ず選ばれたものだ。
自分の写真を変えたいと悩み苦しんでいた私は
部屋の棚に置いたままになっていた、このレンズに
活路を見いだそうとした。
30年も前に製造されたものだ。
もちろんデジタルへの対応など配慮されてはいない。
要は、ちゃんと写らない組み合わせになるのだが、
あえてそれを試してみようと思った。
なるほど、やけに締まりのない画になった。
この緩い印象に仕上がることを味にしてしまえば、
それはそれで立派な表現といえるだろう。
ただし、それはレンズの個性であって私の個性ではない。
技法によって同様の効果を得ることもできるが、
篠山紀信いわく「技法は個性ではない」のだそうだ。
いかにして自分らしい写真を撮るか。
まだまだ旅の行く末は見えない。
