vol.1 和風庭園のあるオフィス | 海外向け動画制作スポットライトムービーのブログ

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 日比谷通り御成門の交差点近くの、ビルが立ち並ぶ一角のオフィスから、この原宿のマンションの一室に引っ越して、はや1年になる。御成門のオフィスは、ちょっと歩くと愛宕神社や芝公園、増上寺や東京タワーなどもあったが、オフィスの窓からはそれらの緑はみじんも見えず、ビル風や騒音がひどくて窓を開けることもあまりできなかった。

ところがこの原宿オフィスには、なかなか風情のある和風の庭がある。というより、事務所探しをしていた時に、庭付きの1階のこの部屋をスタッフ全員が気に入って決めた、という方が正しい。実は、我が社のスタッフたちは、「スタイリッシュでお洒落」よりも、懐かしい昔の匂いがする自然な空間の方が、落ち着くらしいのだった。

 そんなわけで事務所を移ってからは、庭を眺める屋外テラスにテーブルとイスをおき、そこで会議をしたりランチをしたり、パソコンを持ち出して作業をしたり、緑に抱かれたテラススペースはオフィスのなかでもっとも人気のある場所となった。
 夏の最中は、日当たりがよすぎて暑いのと蚊の猛攻に遭うとのでしばし休業状態だったが、また秋の声を聞くと、香取線香を焚きながらテラスに集うスタッフの姿が見られるだろう。

 
 ところでなぜ、この原宿のど真ん中の、それも一見して南欧風のマンションの一室に和庭園があるのだろう。聞いた話によれば、この部屋のオーナーの親類が料亭を営んでいたが、閉めることになったので、お店の敷地にあった踏み石や石組、石灯籠、石橋、池庭、生垣などを運び入れ、植栽してこの素敵な庭を造ったという。

和庭園はもちろん、オフィスの中からでも見渡すことができるが、窓を閉めていても、鳥のさえずりや虫の音がうるさいくらいに聞こえてきて、都会にいることを忘れそうになる。

今年の5月くらいだっただろうか。何となく庭の草木を眺めていたら、白っぽい毛をした猫のような動物が、庭の端っこにぽつんといた。「ハクビシンだ」と誰かが言うと、塀沿いに走り抜けて隣の敷地に逃げ去った。最近は都内にもハクビシンが出現するという話を聞いたことがあるが、まさか渋谷区に現れるとはびっくりだ。隣の建物の先は、交通量も多い明治通りである。いったいどこから来たのだろうと考えたけれど、ハクビシンなりにここを心やすらぐ場所だと感じたのだろうか。だとしたら、いつでも大歓迎である。