風いろの旅 序文 | 海外向け動画制作スポットライトムービーのブログ

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  取材で旅を重ねていると、訪れる先々で、その土地ならではの独特のいろあいをした風が流れているのを感じる。それははっきりと目に見えるものではなく、また「何色」と決められるものでもない。そもそも「色」という表現がふさわしいのかどうかもわからない。
 わかっているのは、「風のいろ」は、視覚だけでなく、臭覚とか触覚とか、五感のすべてを使って感じるもの・・・いやもしかすると、五感を超えたどこか別な次元で感じているものかもしれないとも思うのだ。

 「風のいろ」はたぶん、その土地の景観に、季節の香りや光の加減、空気の冷たさ暖かさなどがあいまってつくり出されている。と同時にまた、土地の歴史や住む人々の営みによっても、様々ないろあいを見せる。
例えば、千年の王朝が置かれた古の都には、雅な色をした風。
大陸との交易で栄えた南国の青い空に映える王宮には、鮮烈な原色の風。
あるいは、古くから染めものを生業としてきた、豊かな自然にあふれる村には、藍や紅色の美しい風。
 海辺の村や谷戸に開けた里、田園風景の広がる町・・・風いろは、土地の数だけ、いろあいを変えて吹き渡る。そんな風いろに出会いたくて、私は旅を続けるのかもしれない。