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健康業界のビジネスモデルづくりのヒント(SPORTZ_脇本)

このブログは、健康ビジネス成功のポイントを「メソッド×場」として、異業種含めて自分が体験したものを書いています。一つのヒントとして活用してください。

今日はブログ5回目。


このブログでは、日本の健康ビジネスが成功するための
要素を、


・メソッド×場

と定めています。


今回は、健康以外のビジネスでこの「メソッド×場」
を保有し成功している事例から学んだことを書きます。


今回学んだ事例は、学童用水泳帽子を製造するメーカー「フットマーク」
という会社です。


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■会社概要
・衣料品企業(学童用水着、水泳帽子製造メーカー)
http://www.footmark.co.jp/
(設立1950年)



■時代背景(社会環境)
・1970年代、文部省は全国の小中学校にプールを設置。
・小中学校の先生は手探りでプール教育を行っていた。
・当時はまだ水泳の際に帽子をかぶるという習慣は存在しない。



■同社が問題としてとらえた点
・教師が指導をする際、プールに入った個別の児童の認識がしにくいこと



■フットマークが提案した学童水泳指導のメソッド
・児童がプールに入る際に、色で分けた名前を書ける帽子をかぶる
・「泳力」というものさしを用意し、能力を測定し帽子の色でも分ける
・水泳教育の専門家と作成した「泳力」を伸ばすためのカリキュラムを提供する



■水泳指導メソッドの最終価値
・教師は、児童の認識がしやすくなる
・子供は「泳力」というレベル評価により、自己肯定感が高まる



■メソッドで使う商品
・学童用水泳帽子
(ただし、商品に特別な技術を使っているわけではない)



■メソッドの普及
・既存のルートである問屋には、このメソッドの必要性が理解されなかった
ため、自社で全国の小中学校の体育の先生にアプローチした。



■その後の同社の成長
・現在では、水泳帽の家元的な企業になっている。
(学童用水泳帽子の大部分を同社が提供しているという)
・またそれにより、水着用のバッグなど様々な商品を販売している。


※出所:新しい市場の作りかた(三宅秀道、東京経済新報社)



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この異業種事例から、健康業界でメソッドを作る「原点」について考えさせられます。

つまり、それは、



●個人の価値観として、当たり前のことの中で何を問題として捉えるか?



ということです。

例えば、同社(現会長)は


・学童の水泳指導の現場でおきている「個別認識がしにくい」という

・「当たり前のこと」を、

・「個人の価値観」として

・「問題」として捉えた


ということです。


つまりは、メソッドは、


・この世のだれかが、個人の価値観として

・これって、問題として設定したらいいんじゃないか?


という、問いから始まるということになります。


健康業界のメーカーが独自のメソッドを企画するには、

このようなメソッドの原点を考えておくことが重要と思います。







今日はブログ4回目。


前回までで、海外の成功している健康サービスの共通点として

・メソッドがある
・場がある

ということから、日本にこの考えをもってくる際
異業種で「メソッド×場」を展開しているものから「空手道」
をとりあげ、運営のヒントを考えました。



では、日本の「健康サービス」で「メソッド×場」を取り入れていて
注目したい事例はないでしょうか。。。



●私の注目:「マトレボニータ」(スペイン語で美しい母の意味)
http://www.madrebonita.com/


体と心に大きな変化があるものの今まで光のあまり
あたらなかった、「産後のママ」を対象に、運動教室を展開しています。

現在、全国にか50か所の教室があり、インストラクター(現在22名)
を養成し広げていっています。



●メソッド:独自開発「バランスボールエクササイズ」

有酸素運動として、産後の体の変化を意識した
独自開発の「バランスボールエクササイズ」です。



●場:独自開発「シェアリング」

運動が終わった後に、ママ同士で語らいあう「シェアリング」
という「場」が用意されている点が、単なる運動教室とは違います。

個人的なことですが、第2子が11月に生まれる予定で、
幸運にも、先日「マトレボニータ」のパパクラスに参加でき、
実際に「シェアリング」を体験できました。

マインドマップを使って、今自分が考えていることを描き
発表し、相手のことも聞くというものです。

「心を開く場」とも言えます。



●「場」をプログラム化するということ

メソッド×場を考える際、メソッドまではしっかりとプログラム化
するのですが、「場」をきっちりとプログラム化するのを忘れそうになります。

「マトレボニータ」に注目する理由は、

「場」をプログラム化できている点にあります。






今日は、ブログ3回目。


前回は、海外の健康サービスの成功事例に共通する点として、


・メソッドがある

・場がある


ということをお話ししました。



今回は、このブログのテーマの一つである、

健康業界以外の「異業種から学ぶ」という点で

上記の2つの成功共通要因を考えてみます。



●学ぶ対象:空手道


日本には、空手道、茶道など、「道」のつく日本古来の文化があり、

世界に広がっています。


こうした「道」には、メソッドと場があります。


もちろん空手にも、メソッドと場があります。


・「メソッド」

ー極真会館

ー芦原会館

ー正道会館

ー和道流

(などなど、さまざまな流派あり)


・「場」

ー道場という練習の場

ー道場を離れて、食事に行く場

ー定期昇級試験という場

ートーナメント試合という場

ー館長(総帥)と出会える場

(などなど)




●メソッド×場の運営ノウハウ



幸運にも、私は大学時代4年間(約20年前)、芦原会館という空手道場へ

通い、その運営ノウハウを近くで見ていました。


当時の特徴とふりかえってみると・・

・「メソッド」


ー当時は一番体系化されていた(一人でも練習できる)

ーさまざまなメディア(ビデオ、本)でメソッドが提供されていた

ーお互い痛めあって強くなるのでなく、お互い痛め合わなくて上達するという

 今までの常識を覆していた

ー定期昇級試験が半年に一度あり、その間の努力がわずかな級の上昇で評価された

ー伝統的な練習方法でありがちな非合理的な練習の多くを排除していた

ー実践的な守りの「型」の練習をすることが多かった

ー攻めのパターンが少なかった(護身術的な要素があったため)



・「場」

ー新しく道場を開けるのは、強く、人格的にも謙虚な人であった

ーとにかくリーダー(館長)がほめ上手だった

ーなんとも言えない和やかな雰囲気づくりをリーダーがしてくれた

ー初めての見学者は他の流派の道着を着ていても良いという懐の深さがあった

ートーナメントがなく、知名度は低かった




●空手道のミッション


当時、私が習った「芦原会館」がどのようなミッションで事業を

行っていたかまでは、当然のことながら意識はしていませんでした。


ただ、当時「芦原会館」の館長である「故 芦原英幸氏」に

全員の前でとても褒められたことが思い出されます。


それは、


大学4年の昇給試験時の自己紹介で、

「芦原会館を続けていたから、就職ができた」

と私が言った時のことでした。


つまり、芦原空手は人生を生き抜く手段を学ぶということ。



芦原会館の「メソッド」と「場」は、



・人生にを生き抜く技を学ぶ



ためにあり、



・空手が強くなる



ために存在していなかったということです。




●健康サービスで「メソッド」と「場」を作る際に大切なこと


健康サービスで日本人に合う「メソッド」と「場」を模索する際、

日本古来の「道」のつく文化がどのように運営しているか

を学ぶことは参考になるはずです。


ただ、「メソッド」と「場」に気をとられ、

ミッション=存在価値を忘れがちになりそうです。


たとえば、ダイエットビジネスの場合、


メソッドと場は、


・「体重を落とすため」


にあるのでなく、


・「体重を落とす過程で、人生に必要なことを学べる」


という切り替えをしていくことだと思います。





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