ヒーローと評された男がいる。実力をほぼ互角とする両チーム中でただ一人別格の輝きを見せている男だ。試合を通して唯一のゴールとなった決勝弾を頭で叩き込んだその男の名はエゲメン・コルクマズ、フェネルバフチェのヒーローだ。
彼のヘディングによって、クラブ創設以来初となるヨーロッパリーグ決勝進出に限りなく近いところまで迫っているフェネルバフチェだが、当然その切符を争うベンフィカも地元リスボンで迎える第2戦を前に出来得る限りの調整をしてくるだろう。
第1戦、フェネルバフチェはホームコート・アドバンテージに見事に乗じて見せた。サポーターが惜しみない声援を送る中迎えたキックオフからベンフィカに守備を固める隙すら与えずハイテンポな攻撃を仕掛け続け、プレッシャーをかけ続けた。そのベンフィカを防戦一方にさせた怒涛の攻撃は、敵将ジョルジェ・ジェズスをして「我々は普段は敵とぶつかる度に攻撃を仕掛けるチームなのだが、今夜はその攻撃ができなかった」と言わしめた。
だが、ベンフィカにとって良い報せはフェネルバフチェのムサ・ソウがイエローカードを受けたことでセカンドレグには出場出来ないという事。フェネルバフチェが仕掛けた怒涛の攻撃において重要な役割を担った選手の欠場は勝利への道をこじ開けるきっかけの穴となるのだろうか?
第1戦において、ベンフィカの最大のチャンスはニコラス・ガイタンの放ったシュートだった。残念なことにポストの外側にそれてしまったそのシュートだったが、第2戦ではその精度をより高められるだろうか?
さぁこの第2戦、ベンフィカが逆転するには最低2本のゴールが必要になると同時に、当然1点も失点は許されない。彼らははたして逆境から見事立ち直りを見せれるのか?
注目の1戦は5月3日、04:05(日本時間)から行われる。