マンチェスター・ユナイテッドは見事にプレミアリーグ首位の座を守り、維持してみせた。彼らは2013年、後半戦のスタートをプレミアリーグ戦に4勝、FAリーグ戦では引分けで切った。その唯一の引分けとなった相手、ウェストハム・ユナイテッドと1月17日、05:05(日本時間)から再戦に臨む。
この2チームの過去4回の対戦においてマンチェスター・ユナイテッド勢からはロビン・ファン・ペルシが4試合中5得点を挙げているのに対し、ウェストハム勢はオールド・トラッフォードに乗り込む度に得点を挙げることなく追い返されてきている。ただし、そのうち3試合では得点が決まったのは試合終了まで残すところ15分以内だったため、今回の試合も終了のホイッスルまで、互いに一歩も譲らない熾烈な攻防戦が期待される。
さてマンチェスター・ユナイテッドは最近好調とはいえ、2位マンチェスター・シティが最近、その差を少しづつ埋めてきていることに戦々恐々としているようだ。先週の日曜日、両チームとも勝利を飾ったことで現在のチーム間の差は勝点7。毎年、首位に立つチームがそうであるように、この「赤い悪魔」でさえもプレッシャーはひしひしと感じているようだ。
直近の試合、マンチェスター・ユナイテッドはリヴァプール相手に1点差で辛勝。試合終了までリヴァプールは「赤い悪魔」を追い込み続けたことから、マンUにはまだまだ改善点があることを露呈させてしまった。例を挙げるならば、ディフェンス陣がGKダビド・デ・ヘア、トム・クレヴァリー、そして日本人選手・香川真司と若い。若いからこそ熱心ではあるのだが、サー・アレックス・ファーガソンがインタビューに対して「若い選手たちは現在の成功に必要不可欠だが、まだまだ進歩するべき余地はある」と述べた通り、経験というサッカーにおいては技術や体力と同じくらい大切な部分ではいささか足らないものがあるかもしれない。ただし、その経験不足の状態ですでにトップにいる彼らは、逆を言えばこれほど怖い選手たちはいないとも言える。
さらに言えば、リヴァプールとの差は勝点24。オールド・トラッフォードでの2-1での勝利、僅か1点が両チームの明暗を分けたが、マンチェスター・ユナイテッドにとっては明るい未来を占う結果にもなった。彼らは、進歩を遂げながらでも試合には勝てることを他の競合相手に証明したのだ。
そして今後マンチェスター・ユナイテッドと本拠地オールド・トラッフォードで対戦するチームにとってはもう一つジンクスとも言うべきハードルがある。ハーフタイム時点で負けているチームは、約30年の間後半戦で逆転して勝利を収めたチームはいないのだ。最後にそれを成し遂げたチームは1984年に対戦、後半戦に2点を挙げ見事逆転勝利を収めたイプスウィッチ・タウンだった。
現在、「赤い悪魔」はリーグ戦22節まで終え勝点55。このまま一貫性のある戦いを続けられれば、2004-2005シーズンにジョゼ・モウリーニョ率いるチェルシーが記録した勝点95を記録できる。そしてマンチェスター・ユナイテッドはそれを成し遂げる戦力を擁していることは周知の事実だ。ひいてはもしも彼らの猪突猛進を止めるチームが現れなければ、今シーズン新記録を樹立する可能性まである。
そう、マンチェスター・ユナイテッドは例えるならばフルスピードで目的地に向かう新幹線のようだ。止めることは不可能のようにも思えるが、はたして「ハマーズ」は不可能を成し遂げ「赤い悪魔」を止めれるのだろうか?
みなさんはどちらに勝利の女神が微笑むと思いますか?
注目の試合は1月17日、05:05(日本時間)から。