絶飲食になって4~5ヶ月くらい。
胃ろうか中心静脈栄養を選択するように迫られるも、
まだ決断できずにいます。
前に書いたかもしれませんが、父は、
認知症の終末期症状(亡くなる前)としての
「自然に食べられなくなる」ではなく、
向精神薬の副作用の、嚥下障害です。
口から食べ物を食べるということは、
栄養を摂るという意味以外にも、
生物にとって、とても重要な意味があります。
食べる楽しみがある、というプラス面もあります。
少しずつでも食べられる量が増えたら、
点滴の時間も少なくて済みます。
なんとか訓練して食べることができるようにならないか。
今の病院では、嚥下の専門家がいないので、
食べさせることはできない、と言われているので、
他の病院で、嚥下のリハビリをして、
少しずつ食べられるようになれば、と思い、
そのためにはまず、嚥下の検査が必要だそうで、
今日は、検査ができる大きな病院に連れて行ってきました。
介護タクシーを頼み、ベッドからストレッチャーへ。
ストレッチャーのままタクシーに乗り込み、
病院へ。
車いすに乗り換え、父は
検査室へ。
看護師さんが、「指示は通りますか?」
「たぶん、通りません」と答えると、
「それじゃ、むずかしいですね」と。
外で待ちます。
造影剤を口から入れ、喉を通って行く様子を撮影するのだそうです。
まつこと10分弱。
看護師さんが父の車いすを押しながら出てくるなり、
「全然だめですね」と。
「飲み込んだように見えても喉に全部溜まってます!
全く飲み込む筋力がありません。
体を動かそうとすると怒るし、
もう、食べさせない方がいいです」
父の目の前で。
もっと別の言い方はないのかなぁ・・と
もう食べられないこと宣告と同時に、2重にショックを受けます。
ショックを受けると言えば、
病院でベッドからストレッチャーに移すときにも、ありました。
まず、体の下にバスタオルを敷いてから、
バスタオルごと、隣に移すのです。
看護士さんが手伝ってくださったのですが・・
(こういう力仕事は男性の看護師さんが来てくださいます)
まず、枕を取りますよね。
看護師さん、何も言わず、頭の下の枕をいきなり抜きます。
そして、無言でバスタオルを掴み、体を動かす。
当然父は、びっくりして、看護師さんに何やら文句を言います。
ちょっと手を出そうとしました。
お父さん、ダメよ。
と、止めましたが・・・・
これ、誰だって怒りませんか?
何も言わず、いきなりされたら。
一言、体を動かすので枕を取りますよ、
ちょっと体を動かしますよ、
そう、声をかけてくださったら、怒らないのに。
実際、介護タクシーの方はとてもいい方で、
必ず声をかけてくださるので、父がおこることは全くありませんでした。
今回だけではありませんが、
もうちょっと、人間らしく扱ってください、
と、声が出そうになったことが何度もあります。
そういう方の顔を、父はよく覚えていて、
その方の顔が見えるたびに、とても嫌な顔をし、不機嫌になるのです。
一方的に責めるつもりはないし、大変なお仕事というのは良くわかるのですが、、
悪循環なんだけどなぁ。。。
もちろん、よく声をかけて気遣ってくださる看護師さんもおられて、
その方がお世話をしてくださるときは、
だまって、されるがままになっています。
その方がベッドサイドに来ると、ご機嫌なのです。
と、話がずれましたが、
結局父は、嚥下のリハビリを受けることはできない、
ということになりました。
もう食べることはできません。
点滴だけで痩せてはいても、体はまだ末期ではないのですが。
もう少し、早く検査を受けられたら。
もう少し、体を動かしたりしてもらえていたら。
もう少し、向精神薬の量が少なかったら。
もう少しこうだったら・・・
そんなことばかり考えてしまいますが、仕方ないですね。
涙が出そうなのをぐっとこらえ、
帰りの介護タクシーを待つ間、
ストレッチャーのままこそっと病院を抜け出し、
散歩に連れて行きました。
入院してからちょうど1年です。
1年ぶりの外の空気。
葉桜になりつつある桜の木の下で、
上半身を起こして、
足を下に下げて、
体をささえて、父と母と私で、しばらく景色を眺めて過ごしました。
私が小学生のころ、父は胃ガンでこの病院で手術したのですが、
そのときは、この道を自転車で父に会いに、毎日通って、
父の隣で昼寝をしたなぁ。
そんなことを、思い出しました。
介護タクシーの乗り、
帰る途中に、実家に寄ってもらいました。
降りることがむずかしいので、
(ご近所の目があるので母がいやがりました)
おろすことはできませんでしたが、
窓から眺めた実家の光景に、
一言、「うわー」と、父が言い、
掛けていた毛布をとって、起き上がろうとします。
母が、
「ごめんね、今日は家には入れないのよ。
また今度来ようね」
今後、家に帰ってくることはあるのかな。
もうダメですね。涙があふれて止まりませんでした。
帰り道、
介護タクシーの方が、男性でしたが、
お1人で、認知症のご両親の介護経験がおありで、
とっても良い方だったことに、とても救われました。
病院に戻り、いつもの状態に戻ります。
いつもの本を見せると、
なんと、1行だけ、声を出して字を読みました。
もう半年以上も、自分の名前以外は読めなかったのに。
びっくりして思わず、母と目を見合わせてしまいました。
面会時間が終わり、
父に、帰らなくちゃいけないから。また来るね。
と言うと、
「頑張って来なさい。楽しんできなさい。」と、
掴んでいた私の手を追い出すように、送ってくれました。
やっぱり、外へ出たりして刺激を受けると、違うんですね。
たまには、天気のいい日には、外に出してやりたいのに。
でも、今日はまた、残念な一日でもありました。
もう、食べられない。
これから、どうするかなぁ。