「柚亜、はやく起きて」
「・・・んぁ~」
朝は嫌い。
眩しすぎる太陽が、ウザイほど光を運んでくる。
カーテンと壁の間にある、わずかな隙間から
ソイツが目元を反射してくる。
「・・はよ」
「・・・おはよう」
寂しそうに目を細めるお母さんが玄関で靴を履いていた。
「・・・いってらっしゃい」
それだけを言って洗面所へ足を運んだ。
玄関から見守る母さんとの心の距離を広げていくのと同じように・・・。
顔を洗いながら、玄関の扉が閉まるのをしっかりと確認すると
リビングへと向かう。
・・・もうこんな時間か。
急ぐわけでも、焦るわけでもなく、パンを機械の中に入れた。
学校なんて行く意味がわかんない。
8時半に、席に着いていることがそんなに偉いか。
だって、ただ友達と喋って、ダルい授業受けて・・・の繰り返し。
なにがそんなに楽しいのか理解に苦しむ。
でも、そんなこと言ったって休むわけでもない自分に腹が立つ。
結局はヤンチャ面しているだけ。
そんな自分が見にくくて、汚くて、心をかき乱す。
頭の中でグチャグチャになっていく・・・。
―チンッ
「っ・・・」
パンの焼けた音でやっと我に返ると、変なことを考えていた
自分を消すようにバターを塗り始めた―
