お勧めの書籍(小倉昌男氏と宅急便) | 画龍点睛。

お勧めの書籍(小倉昌男氏と宅急便)



私のお勧め本のご紹介です

ご無沙汰しております
ブログを書くのも随分久しぶりです

先週末に、岩本好之さん主催のpersonal mission practitioner交流会に
参加させていただきました
今回の交流会のテーマは「ロジカル・プレゼンテーション(相手に伝わる話の組み立て方)」と、
そのロジックに基づいたお気に入り書籍の紹介ワークでした
自分の中でホットなうちに活字にしておきたいと思い、この記事を書いております
私のお勧めは、宅急便というビジネスとヤマト運輸の2代目社長小倉昌男氏

荷物を送る側でも、受け取る側でも多くの方が宅急便というサービスを
利用されたことがあると思います
多くの書籍が出版されているのですが、取っ掛かりは何の本でも良いですから
普段物流や流通業に興味のない方に、是非この機会に読んでいただきたい

以下の3つの観点からご紹介いたします

1.宅急便を作り出した小倉昌男というカリスマ社長の生き様と経営理念

2.大和運輸からクロネコヤマトへといたる歴史

3.運送業から接客業としてのヤマトのセールスドライバー

1の小倉昌男という経営者は、大和運輸の2代目オーナー社長でした
アマゾンなどで検索していただくと「経営学」から回顧録、ヤマト引退後に
取り組んでこられた障害者福祉まで多くの書籍がありますが

傾きかけた会社を立て直すために宅急便のビジネスを思いついた発想力
多くの反対を押し切った決断力と、継続させる実行力
常に利用者目線でサービスを開発した企業理念
曲がったものは許せないというアンチ官僚としての対決姿勢
障害者が自立するためには福祉の経営者を教育が必要であると説いた着眼点

私はどの書籍にも一貫している小倉昌男氏の正直さが好きです
回顧録等で書かれているのですが、引退後もヤマト運輸の社内評価システムについて
完成することが出来なかった後悔

彼は社員で重要な評価項目は「業績」ではなく「人柄」だと言い切ります
能力評価時代に人柄をどう評価するのか、時代と格闘されていたのだろうなと
思います

次に2のヤマト運輸の歴史について
このブログを読んでいただいた方には旧国鉄のチッキという手荷物のサービスを
ご存知ないのかもしれません
すでにコンビニと同様に、宅急便も気がついたら生活の一部であるのかもしれません
私が小さいころは、母の田舎からお米を送ってもらった場合、自宅まで配達なんて
してもらえませんでした
駅まで取りにいって自転車に乗せて運んだ時代がありました
ご存知のように宅急便は成功したビジネスです

この成功の背景には、民間会社が社会的インフラを目指した事にあります
人口過疎地に集荷配達するのは、企業側としてみればどうしても採算割れして
しり込みしてしまいます

しかしながら過疎地の方々ほど自宅まで集荷に来てくれて、小さな荷物一つでも
配達してくれるサービスは喜んでもらえます
ヤマトには経営哲学として「サービスが先、利益が後」という理念があります

もうひとつの成功は、消費者ニーズを追いかけたのではなく
消費者ニーズを創造したことです

スキーでも旅行でも帰省でも、今までは大きな荷物を自分で運んだ時代に
片道千円から二千円で宅急便で運んでもらえるなら、楽が出来ますし
千円なら財布から出せる金額です
一人ひとりが利用するのが年に1回でも全国であれば大きなビジネスとなります

そして最後に宅急便の主役はセールスドライバーなのです

セールスドライバーに目を向けたとき
従来の物をAからBまで運ぶ運送業ではなく、宅急便のセールスドライバーは
「接客業」であると言い切ります

いかにお客様の目線でものを考えて、いかに気働きが出来るか

そして今までの「ありがとう」と荷主に声をかけてもらえなかった運送業の
ドライバーさんが、荷物一つ運ぶたびにありがとうの言葉をかけてもらえること
この感謝の言葉がやりがいにつながります

カリスマ経営者だけではなく、主役はセールスドライバーであると説いたこと

カリスマ経営者の書籍は多くありますが、社員にまでスポットライトを当てている
ビジネスは他にはないと思います


最後に、私にとって今回紹介させていただいた書籍は全て自分に対する戒めなのです

営業として毎年数字を残せているのは自分の力ではなく

初めてのお客様から名刺をお渡ししたときにどこぞの会社化と苦労することなく
ヤマト使っているよと声をかけていただくのは
汗をかいて全国のインフラを作り、信頼関係を作ってこられた方々があるからと
思い起こさせていただき、思い上がらないようにする戒めなのです