前回、音大生の頃から、大手の即興や和声学を学んでいらした先生とのお話を書かせていただきましたが、
これは、子どもたちへの即興や作曲、和声への取り組み方にも、
影響があると思います。
私なども、バイエル・ブルグミュラー・ツェルニー・ソナタアルバムという
典型的な、古典派和声オンリーの世界で、幼・小学生時代に固められ、
突然中学から、近代曲を知ったという方も、多いのではないかと、
最近は、入門時から、さまざまな時代の音楽を同時にスタートさせている教本が多いので、大丈夫だと思いますが、
即興や作曲って?というと、まず古典派和声・調性感のあるものという指導書が多いです。
それが基礎であると。
リトミックの板野平先生に、大阪の府立体育館で、特別夏季講習を受けたことがあります。
ずいぶん前、何十年も前のことですが、200人近く大勢の幼稚園の若い先生方が、いらっしゃっていました。
とても厳しい視点で、一人ひとりの創造力を育て育むのが、リトミックと伺った記憶があります。
集団で行うことが多いリトミック。
一人ずつスキップして、中央に大きな樹を作ろうというプログラムでした。
一人ずつ次々音楽に合わせてスキップして、集まって中央で樹のポーズを取ります。
幼稚園の先生・ピアノの先生などで、実習したのですが、
『同じポーズを取らない!』
そういう創造力を豊かに、自主的にするのが、リトミックと、
そのセミナーで記憶に残っている唯一のことです。
力説されて・・・いろんな木があるでしょう。
手を広げるだけじゃない、横に伸びているのもあれば・・・
誰のどこにひっついて、一つの大きな樹に仕上げるか・・・
学校に上がると、解答は一つ、間違った答えを出すといけない。
正解は何か、それをただ追い続ける・・・?!
リトミックって、音楽とリズムを覚えるのに良いというくらいにしか思っていなかった頃のお話なので、しっかり記憶に残っているのでしょうね。
板野先生が、すごく怖かったです、いえ、厳しい方でした(汗)
幼稚園の先生のための、リトミック曲集といえば、
古典派和声・機能和声が、シンプルで、弾きやすいし、
表現しやすいのが一般的に載っています。
そういう中で、子どもたちもカデンツの働き方も学べると思いますが、
そういう伴奏ばかりだと・・・
せっかくピアノ教室につながるのでしたら、さまざまな音楽を体験させてあげたいですね。
ムジカノーヴァの「音で遊ぶ ピアノに親しむ はじめての即興演奏」大城依子先生の記事は、
ダルクローズ・リトミックを指導されていらっしゃるので、
さまざまなジャンル・・・先月号10月から教会旋法が載っていますが、
ピアノの先生方にとっても「理解しやすく!」・・・
と思って、サークルの皆さんにご紹介したら、
よくわかりませんね・・・とコメントいただいたので・・・
慣れていらっしゃらない先生方にとっては、
ペンタトニック? 全音音階? 教会旋法?
と、また、つい、全部読めばわかると、思い込んでしまっていたことを反省。
なんでも、【初めて!】というものは、
何を言っているのか、それを理解するのに、とても労力が入り、
疲れる作業なのだと気付かされました。
ですから、ぜひ、幼少期から、さまざまな音楽に触れさせてあげたいですね。