江口寿子先生メソードで、絶対音感を指導なさっておられる先生から伺いました。

 

教室の生徒さんのほとんどは、絶対音感がついていらっしゃるそうです。

お嬢様も絶対音感がついておられ、音楽を楽しんでいらっしゃいます。

 

音楽療法を学ばれ、それにも生かされていらっしゃるようで、楽しみですね。

 

その先生に、相対音感のレッスンはなさっておられるのか伺いました。

江口先生のオリジナル相対音感のテキストがあるのですが、ちょっと使い方が・・・とおっしゃって、生徒さんたちには、ご指導されていないとか。

 

そこで、私がこれまで、相対音感をつける方法として考え、子どもたちと一緒にしていたことを

ご紹介させていただきました。

 

相対音感の素晴らしさは、知っていましたが、絶対音感がついた子供たちに教えるには、

ちょっと工夫が必要です。

 

答えは、同じであっても、頭の中は、ちょっと違うからです。

昔から、二か国語を話すつもりでとお話ししています。

 

絶対音感がついた後に、この聴き方は、まず『ちょっとめんどくさい』

と思ってしまうのです。慣れるまで、ほんとうに厄介です。

 

①リズム譜のあるテキストを使います。

みんな知ってる!プレリーディング曲集

 

 

 

 

 

この本を使って移調も簡単にできます。

12の調を、グループ分けして、視覚から(指番号やポジション・鍵盤の位置)、触覚(指を鍵盤に置く)、もちろん聴覚。

 

意外とリズム譜なのですが、目で音符を追うことが苦手な子供にも、良いテキストですね。

主和音・属七和音などのコードも、入っていたと思います。

 

②慣れてきたところで、楽譜での全調を。

こちらは日本語版が2023年に1・2共、出ました
 

http://shop.zen-on.co.jp/p/171019Scale and Chord: Five-Finger Scales and Chords: Elementary (Faber Piano Adventures)


 

1巻は5指ポジション 長調短調24の調

こちらは、人気で、それぞれの調に、先生用の伴奏がついていて、即興できます。

kindle版ができていますね。

2巻は、1オクターブの全調。スケール・カデンツ・アルペジオの課題の後に、短い曲が載っています。移調課題です。

③模様読みに必要な、音程を学ぶテキストは、江口寿子先生のがっこうシリーズにたくさん出ています。

 

④ハーモニー系をまずハ長調で基礎作り。模様読みの、パターン・シークエンス(ゼクエンツ・同形反復)などは、ソナタ形式まで、ずっと活かされるものです。

小学生低学年では、ハーモニーワークブック

ピアノの学校①〜⑥ 音楽の学校①〜⑥ 

(一音会の上のところに、楽譜をクリックすると内容が見られるところもあります。)

 これらのテキストを使って、8歳以上になると、相対音感を学んでいきました。

 

これら江口先生のテキストには、分析・即興や作曲の課題もたくさん入っていて、とてもわかりやすいため、中学生で初めて全調メソードやアナリーゼを体験する子供たちには、後半のテキストで、

「難しくないよ!大丈夫!」と、演出しながら、動機の扱い方、形式についてなど、簡単に進めて行きました。

 

⑤移調する際には、4度も5度も飛ばずに、隣の調や、5指ポジションで慣れている白鍵中心の調など、グループ分けでおこなったりしました。

 

⑥音程の聴音について。

例えば、半音(短2度)・全音(長2度)の違い。

絶対音感を持っている子供は特に、鳴った音の音名を意識して、答えることがまず先に来るので、

鳴らした音ドーレ   子どもの頭の中 ドーレがなった → だから全音  と答えます。

こんなに時間はかかりません、即座に 全音!と叫べます。(汗)

重音の縦の響きも同じです。メロディーのドーレー 和音重音の〔ドレ〕瞬時に答えられます。

 

これでは、相対音感にはなりません。

ただ単に、音の幅を聞きます。 全音ばかり聴いて・・・

そして比較して聞きます。さっきより なんか、変な音 半音 

チャンネルが2つあって、行ったり来たり、最初はすると思います。

 

片一方の絶対音感 音名で聞こえるチャンネルを閉じて、

違うチャンネルに周波数(?)を合わせて聴く。

 

これをコード(3和音)でも行ないます。

江口メソードでは、

主和音(お花) 属七(蝶々)下属和音(蜂)と3種類カードを並べます。

 

ハ長調で主和音Cメジャーどみそと

へ長調で属和音のCメジャーは、同じコードですが、

機能が違います。

 

機能として聴きとれるようにします。

これも、最初は、コードネームのように、鍵盤の位置、音名が先に飛び込んできて、

ト長調の主和音をそしれとして弾くと、

〔ソシレ〕って、聞こえてきますからト長調の主音はソの音、その主和音は、ソの上の和音だから、

ソシレ →  だから、主和音 と答えてしまいます。

これでは、機能和声として聴いていません。

 

ソシレが ドミソに聞こえる

移動ド のように聴く

 

トランスポーズ機能で 電子キーボードのドの音を弾くと、2度上がってレに設定します。

弾くと、ドを弾いているので、ドの音がなるはずが、レの音が鳴っています。

これで、1曲弾きなさいと言われて、スッと弾けるかどうか、

一度やったことがありますが、一点凝視状態で、コンコーネの伴奏を、なんとか最後までやり遂げたということがあります。かなり難しかったです。目は違うところに飛んでいました(汗)これも慣れかもしれません。

 

なんとかできるようになったのは、機能和声として耳からトニック・サブドミナント・ドミナントという分類です。どうしても、借用和音は、何度調というより、やはり、先に◯長調/短調の属和音と聴いてしまい、ダメです。訓練が足りていません。便利で楽な方を使ってしまいますね。

相対的に音感の練習を積み重ねは大切です。音程から、まずコツコツと。

セブンスコードで違いを聞き分けるというのもしました。

これは、とても楽しくて、何度も聴いていると、ポンと何かのセブンスコードを聞くと、あれは、メジャーセブンって、種類がわかるようになります。

こうして、少しずつ、あっこれは!っと、とっかかりができると、前に進めそうです。

 

下の動画 2分ごろから4種類のコードがスタートしています。

自分用に作ったものですが・・・(汗)