スピードマスター
イチバン始めの記事に、どの時計を取り上げるべきか。
ほんの僅か数秒、それについて考えさせられましたが、すぐに決まりました。
言わずとも知れた、スイス時計を代表する「オメガ スピードマスター」です。
日本国内における輸入時計の確固たる地位を築き上げたブランド、そして時計のひとつです。
その歴史については、既にご存知の方が大勢いるかもしれませんが、簡潔に紹介します。
NASA宇宙飛行士が使用するために採用された初の腕時計が、このスピードマスター。
過酷な環境実験を繰り返す中、最後まで止まることなくテストをクリアしたのは、この1本だけ
だったと言われています。
しかもその過程で最も驚きべきことは、NASA要員は、
「宇宙でも使用に耐えうる時計を作ってくれないか。」と、各メーカーに依頼を
かける形ではなく、フツーのショップで、フツーに購入したものをテストに使用したそうです。
(自分の勝手な想像ですが、決して安価ではない腕時計の数々を、いきなり買っていったお客さん・・・
事情を知る由もない当時の店員は、きっとビックリだったでしょう。^-^;)
そしてこのことは同時に、世界中にオメガ時計の品質を知らしめる、大きな出来事となりました。
また、アポロ13号が機械トラブルに見舞われた際にも、宇宙飛行士の腕に巻かれていました。
ジェット噴射による角度調整など、数秒の狂いが生死を分けたと言われていますが
その数秒を飛行士が計測するために用いたのも、スピードマスターだったと思われます。
この一連の出来事により、のちにオメガ社は、NASAより「スヌーピー・アワード」という
栄誉ある賞を受賞しています。
と、偉大な歴史については、これくらいにしておきましょう。
現在のスピードマスターには、大きく分けると自動巻・手巻の2種類があります。
(さらに分類すると、ムーンフェイズ付きやデイトジャストなどが存在するのですが・・・)
この2種類のうち、NASAで初採用、宇宙飛行士が使っているものは「手巻」になります。
それもそのはず。確かオメガセミナーで聞いた記憶があるのですが、無重力の宇宙空間では
自動巻きローターは、その役割を果たすことができないそうです。^-^;)
「えっ!?このご時世に、手巻なの?」
お客さまの中には、初めてそのコトを知って驚かれる方も、決して少なくありませんでした。
ですが、オメガ スピードマスターにはオトコの夢やロマンが秘められています。
初めて宇宙飛行士の腕に巻きつけられ、共に宇宙へと旅立った時計。
そのバックグラウンドだけで、とても愛着の沸いてしまう1本ではないでしょうか。
それに、手巻きならではの利点もあるんです。
たびたび時間を知る意外に、1日ないし2日に一度、巻いてあげないといけない。
つまりは、時計に触れる回数が増えるんです。
この先数年間、ずっと使い続けた時の愛着は、とても大きなものになっているでしょう。
これは初めてのお客様に、機械時計をより理解してもらうために、よく話していたことでもあります・・・
もし当時、私がオメガ社の広報担当であったのならば・・・
きっと、こんな広告を打ってうたかもしれません。
Omega promises comfortable life in space.
(オメガは、宇宙でも快適な生活をお約束します。)
