きっかけは
ほんの些細なことだった


例えば
自分が何か買いに行くときに
メンバーに声をかけて買って来てくれるとか


ご飯を食べる時に
食べやすいようにと取り分けてくれたりだとか


電車とかで席を譲ったりだとか


戒君は小さな優しさで溢れる人だと気づいたのは


戒君自身は何気ない行動なんだろうけど
気配りが苦手な俺から見れば羨ましいばかりで


戒君が凄く立派に見えた


今日だって
わざわざ0時ぴったりに誕生日を祝ってくれたりして


「俺は戒君に何を返せんねやろ…」


誕生日だからと
料理を作ってくれる戒君の背中を眺め考えた


「あかん、何も浮かばんわ」


いつも自分優先で生きてきた俺だから
他人のために何かするということが極端に苦手だった


「不器用すぎるやろ、俺は」



なら、少しは戒君のためにでも生きてみようか


いつも他人のために生きてるような戒君だから

たまには逆の立場も必要だ


「俺も、こんなこと考えられるようになったんやな」


少し大人に近づいた気がした今日、

それは他の誰でもない
恋人のため