独りっきりで眠る夜
無性に寂しくなる時がある


そんな時は
携帯を握りしめてベッドに潜る


鳴らなくてもいい
ただ咲人と繋がってると思えれば

それだけで少し安心できるから


小さい機械を
大切に大切に胸に抱く


咲人と俺を繋ぐ道


ブブッ…


俺の胸の中で振動する携帯
期待を込めて覗けば
期待通りの答え
自然とほっぺたが緩んでしまう


『もしもし?』


「起こしちゃったりした?」


『大丈夫だよ
だけど、どうしたの?』


「用は無いんだけど
急に声聞きたくなって」


『俺も咲人の声聞きたかった…

寂しいよ』


「俺も寂しい、」


『咲人の声聞いただけで…』


「泣かないでひつ」


『会いたいよ、』


「俺も…
ねぇ、今から会いに行ってもいい?」


『え…でも電車』


もう夜も深い時間
電車なんて動いてるわけもなくて


「大丈夫、会いたくなって
もう来ちゃったから」


電話越しに聞こえた声がやけに近くに聞こえた


俺は携帯を握りしめたまま玄関に向かうと


同じように携帯を持って笑って立っている咲人


『さき、と…』


俺は咲人に抱きついた
しっかりと抱きしめてくれる咲人に視界が滲む


『ねぇ、もう泣いてもいい?』