優しさなんて
見せなければよかった


優しさなんてものは
ただ良い印象を与えるだけで
他に何も残らない


今だってそうだ
気に入られるために
俺を見て貰うために
創り出した優しい俺は
戒の視界には入ったけど
入っただけだった


良い人止まり


何てくだらない立場


『流鬼って本当に優しいね』


そんな言葉だけじゃ満たされない


『れいちゃんにも流鬼の優しさを見習って欲しいよ』


なら
れいたなんてやめて俺にすればいいだろう?


確かに
戒の中で俺の存在は大きくなった

だけど
俺が望んだのは


そこじゃない


被り続けた仮面は
取ることも赦されず


ただいつものように
良い人を演じる


『聞いてっ
れいちゃんってば酷いn』


「戒」


泣き叫びながら入って来た戒の言葉を遮ったのは
俺が一番欲しい所にいるやつだった


『もう、れいちゃんなんて知らない!!
れいちゃんよりも流鬼の方がずっと…』


「愛してる」


『え…』


「俺はちゃんとお前のこと愛してるから

気づけよバカ」


『れいちゃっー…』


あぁ何てくだらない茶番劇

俺は一体何なのさ


「はいはい
バカップルはあっちいけ

まじうぜぇ」


『ひっどーい』


「まあまあお言葉に甘えて退散しようぜ…


世話になったな、流鬼」







「はは、」


何だ、今のあいつの顔は!!
勝ち誇ったように笑いやがって


「もう限界だな」


優しい仮面は脱ぎ捨てよう

いつかお前に今日見せてくれた笑顔を返してやるために