ビュー…ッ


「『寒っ』」


冷たい風が2人の間を吹き抜けていく


異様に冷たい冬の風は俺たちに容赦なく吹き付けてきて


「戒君顔あっけぇ」


『流鬼だって鼻真っ赤じゃん』


俺たちの体温を奪っていく



『早く春になって欲しい…』


「冬は嫌いか?」


『嫌いじゃないけど…』


「ふむ。」


わざとらしい相槌


『…?』


「少し、冬にしか出来ないことでもやってみますか」


そう言って
流鬼は俺の手を取り
自分のポケットの中に入れた


ポケットの中で繋がれた手は不思議なくらい熱くて


『恥ずかしいやつ』


「耳まで赤くして、本当は嬉しいんだろ」


『自分だって赤いくせにっ』


お互い恥ずかしいだのなんだの騒ぎながらも
繋いだ手は離すことなく結ばれてて

体すら自然と温もりを分け合うように寄り添っていった


『確かに冬にしか出来ないね』


「だろ?」


夜とはいえ外で男2人が
ぴったりとくっついて歩くのは少しおかしかったけれど


(たまには、ね)


今はまだこの温もりを失いたくない


そう思った