俺は書きかけの歌詞とにらめっこ

戒はそんな俺をずっと見ていて

カリカリ…

じー…っ

すげぇ気になる

カリ、カリ

じー…っ

カリ、


「なに?」


『なんでもない』


俺はまた視線を机に戻しペンをとる


室内は筆音のみが支配していた


カリカリ

じー…っ


俺がペンを動かしだすと
また戒の視線が痛い


(集中できねぇ…)
「何なのお前」


『見てるだけだもん』


拗ねた声
俺何かしたか?


「何拗ねてんだよ」


『拗ねてないもん』

何だこの押し問答は


「はぁ」


俺は握っていたペンを投げ出し戒と向き合う

俺のあからさまなため息のせいか
戒の目には涙が溢れていて


「俺、何かしたか?」


声をかけても首を横にふるだけ
そんな戒を俺は抱きしめる


『嫌いにならないで』


弱々しい声が耳に届いた


「嫌いになんてならねぇよ」


『俺、ワガママで泣き虫で…』


「俺はそんなお前も好きだから」


お前の泣き虫もワガママも
ぜんぶ俺にかまって欲しくて
俺に気にかけて欲しくてやってることぐらい分かってる


だから
嫌いになんてならない
いや、なれねぇよ


だって
俺の胸で涙を流しているお前を
こんなにも愛しいと感じてるんだからな