『ねぇ、』


「………」


『返事ぐらいしてよ』


「何」


『もう、いい』


「柩が返事してって言ったくせに」


『うん、でももういいや』


きっとこれが
ひつからの最後のチャンスだったんだね


一緒に居れば
それだけで気持ちが伝わるって思ってた俺は


何て愚かだったのだろう


何度も何度も傷つけて

何度も何度も泣かせて


最後の叫びも気付かないまま、


お別れしちゃうなんて


紅い赤い海に沈んだ君を

俺はただ見つめるだけで

俺は涙も見せず
優しい君が泣いているのを


また見ているだけだった


「ひつ…

ねぇ、何してるの?」


返事なんて返ってくるわけもないのに


「返事しろって言ったの柩だろ!!

俺は駄目で柩は返事しなくてもいいのかよっ」


言いようもない
悔しさと自身への怒りに声を荒げた


涙を流し眠る柩を腕に抱けば


深紅が俺を染めていく


「お願いだから、目を開けて…

もう寂しい思いなんてさせないから

お願い…」


ひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつひつ……


あぁ、
今になって気づいたよ

柩、君が欲しかったものは

愛でもなんでもなくて

ただ君を俺に焼き付けて
俺の中から…

いや俺が君に執着することなんだ


「ふふ、
ひつったらほんとうにかわいいんだから…」


壊れた俺は
壊れた恋人を抱き

恋人の赫に染まりながら

笑う


俺はここにいる

もう寂しい思いはさせないから


アイシテルヨ、ヒツギー…



ねぇ、ひつ


君の願いはちゃんと叶ったー…??





[がらくた人間]より