シャボン玉飛んだ

屋根まで飛んだ

屋根まで飛んで

壊れて消えた…



呆気ない最期を迎えるシャボン玉


弱いくせに
どうして高見を望むのだろう…


俺はシャボン玉を飛ばしながら
子どもの頃によく歌っていた歌を思い出していた



「あれ、戒君珍しい遊びしてるね」


『あー…うっさんだ

何か買い物行ったら目にとまっちゃって

思わず買っちゃた』


「戒君らしいねww
ねぇ、俺にもやらせて?」


『いいよ、
はいどうぞ』


「ありがとー」


大の大人が並んでシャボン玉を飛ばす


たくさん飛び出したシャボン玉は
高く高く上って割れる


『シャボン玉って割れるために空に上ってさ

ここに止まってれば割れずにすむのにね…』


「うん…でもさ戒君

もしかしたら

シャボン玉は空に恋をしているのかもしれないよ?」


『うわっ
うっさんロマンチストだ!!

でも、どうして?』


「空が恋しくてさ
ここにじっとしてられないんだよ

だから」


割れると解っていても
少しでも近くに行けるよう空高く上って行くんじゃないかな



『ふぅん…』








あぁ


俺は少しシャボン玉に似てる


ふとそう思った


貴方という空に恋い焦がれて


でも
この想いは貴方に届かないまま


割れてしまう


ただ
シャボン玉と違って俺は


割れることを恐れるあまり
空高く飛ぶことも


それゆえに
貴方の近くに行くことも出来ないのだけれど


でもいつか
俺もシャボン玉のように
壊れることを恐れず

空に向かって
貴方に向かって


飛んで行ける日がくればいいな


その時は空高く上った先
割れることなく貴方のもとまでたどり着きたい





ただ今は
シャボン玉だけが空を目指し飛んで行く






[長靴とレインコート]より