すごい一冊を読みました
Yahoo!ニュース|本屋大賞2021 ノンフィクション本大賞
第7回沖縄書店大賞 沖縄部門大賞
第14回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞
「海が赤くにごった日から、私は言葉を失った」
おびやかされる、沖縄での美しく優しい生活。
幼い娘のかたわらで、自らの声を聞き取るようにその日々を、強く、静かに描いた衝撃作。
生きていることが面倒くさい日々が私にあったことは、若い女の子の調査の仕事をしていると、どこかで役に立っているように思う。(……)
あれからだいぶ時間がたった。新しい音楽はまだこない。それでもインタビューの帰り道、女の子たちの声は音楽のようなものだと私は思う。だからいま私は、やっぱり新しい音楽を聞いている。
悲しみのようなものはたぶん、生きているかぎり消えない。それでもだいぶ小さな傷になって私になじみ、私はひとの言葉を聞くことを仕事にした。(「美味しいごはん」より)
最後に知るタイトルの意味――
その時、あなたは何を想うか。
これほどの名著には人生でもそう出会えないと思う。