和へ557連続昏睡(こんすい)強盗事件 | 宮崎光子のブログ

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和へ557連続昏睡(こんすい)強盗事件

裁判って裏があると思います。

だから裁判を傍聴して本当の話だと思うものを聞いたことはありません。

だからこの話の本当はどうなんだろうと考えてしまいます。

それにしても複雑な事件です。

たぶん捕まったからいい人なのだと思います。

http://digital.asahi.com/articles/ASH8G55KPH8GUTIL023.html

犯人は私の中のもう一人の私(きょうも傍聴席にいます)

塩入彩

20158261137

 「声優アイコ」を名乗る人物が街で知り合った男性に睡眠薬を飲ませ、眠らせて金品を奪う――。東京都 内を中心に相次いだ連続昏睡(こんすい)強盗事件。被告はいま、「自分の中の別人格が事件を起こした」と法廷で主張している。謎に包まれた事件の真相を知ろうと、傍聴席は常に満席だ。

 7月27日、東京地裁 710号法廷。昏睡強盗罪などに問われている神いっき被告(31)は、グレーのトレーナーに黒のジャージー姿で現れた。

 被告「自分そっくりの(人物が映る)防犯カメラ の映像を見た。そして、自分の中に他の人格がいることはわかり、それが犯行をしたかもしれないと思いました」

 逮捕前に警視庁 が公開した防犯カメラ 映像の「アイコ」は、ヒョウ柄のベレー帽をかぶったロングヘアの「女」だった。ただ、昨年7月に逮捕された被告は短髪で、普段は男性として暮らしていた。自身のブログでは自ら「同一性障害 」とつづっていた。

 その被告は逮捕以来、容疑を否認。昨年9月の初公判でも「身に覚えがない」と起訴内容を否認していた。しかし、今年5月に主張を変えた。

 事件の記憶は全くないが、自分の中の別の人格が事件を起こしたのかも知れない――。弁護側は、強いストレスなどが原因で記憶をなくすなどする「解離性障害 」の可能性を指摘し、事件時の被告に責任能力 はなかった、と争っている。

 弁護人「今回の事件で思い出したことはありますか」

 被告「住んでいるアパートの通路にバッグが置かれていました。中を見たら、ボキボキに折れたサングラスやピンクの帽子、粉々の薬のようなものが入っていました。怪しい薬かと思って、バッグごと捨てました」

 弁護人「他に覚えていることは?」

 被告「自分にアイコ宛てのメールが来てました。『アイコ元気か』とか『アイコ飲みに行こうよ』とか。間違いだと思って返信せず、消去しました」

 被告の顔は青白く、無表情。だが、口調は比較的しっかりしている。

 女性として生まれたが、普段は男性として生活していた被告。弁護人は、これまでの被告の半生について踏み込んでいく。

 弁護人「自分の性別に違和感を感じたのはいつごろでしたか」

 被告「小学校4年生の頃、性教育 や体育の授業で男女別になって、自分は女の方でいいのかと疑問に思いました」

 中学でもなるべくジャージーで過ごしていたという被告。高校では周囲の女子生徒となじめず、1年の時に中退した。23歳の時に、性同一性障害 に理解のある飲み屋のマスターに「心は男なんだね」と言われ、自分が性同一性障害 であることを自覚したという。

 弁護人「普段、女性用の服を着ることは」

 被告「一切ありません」

 弁護人「女性の格好をすることはどう思いますか」

 被告「気持ち悪いです」

 被告は家族ともうまくいっていなかった。

 被告「おやじはキレやすく、かっとなると暴力を振るう大人でした」

 性別の違和感に関する自身の混乱、誰にも相談できない孤独……。次第に精神的に不安定になり、19歳のころから精神科 で睡眠薬を処方されるようになった。何度も自殺未遂を繰り返したという。

 弁護人「記憶がすっぽりないということはありましたか」

 被告「よくあります。だいたいお酒 を飲んでいて」

 弁護人「しらふの時も」

 被告「あります」

 弁護人の質問などから、被告が2011年に強盗未遂事件を起こしたが、事件時の記憶がなく、責任能力 がないとして不起訴処分 になっていたことも明らかになった。また、被告は逮捕後に妊娠が発覚し、昨年12月に出産しているが、「妊娠6カ月まで全然気づかなかった。(男性と)そういう行為もしていない」と自ら語った。

 弁護人は、今年4月の公判で被告が見せた「異変」にも言及した。自らを「ゲンキ君」と名乗り、4歳児ぐらいの幼い子どもの口調で話し始め……。

 弁護人「その時の記憶はありますか」

 被告「ありません。あとから弁護人に教えてもらいました」

 弁護人「3月には留置場で『いっき兄ちゃんを助けてあげて』と言った、という記録もある。その記憶は?」

 被告「ありません」

 弁護人が被告の母親や友人に聞いたところ、以前にも急に幼い子どものように甘えたり、ドスのきいた男の声で「コウジ」と名乗って話したりすることがあったという。

 弁護人「弁護人から解離性の精神疾患の可能性を聞きましたね」

 被告「はい」

 弁護人「5月に事件を認めたのはなぜですか」

 被告「自分の中に幼児の人格がいると知った。またゲンキ君以外にも違う人格がいると思ったからです」

 「アイコ」「ゲンキ」「コウジ」……。神いっき被告の中にはこれらの別の人格がいて、事件はその別人格が引き起こしたのか。2日後、今度は検察官が切り込んだ。

 検察官「当時のあなたの交際相手に、ジンという名義で5回振り込みがある。これはあなたですか」

 被告「僕が振り込みました」

 検察官「なぜですか」

 被告「最初は彼女が飼っていた犬の治療費。その後は、彼女が働けなくなったからです」

 被告には当時、恋人の女性がいたらしい。彼女への振り込みは、1回あたり数十万円になることもあったという。

 検察官「当時、あなたは生活保護 を受給していたが、どうやって稼いでいたのですか」

 被告「(作曲の)ゴーストライター の手伝いをして、金を得てました」

 検察官「誰に曲を買ってもらっていたのですか」

 被告「詳しくは言えませんが、横浜の人です」

 一昨年の12月、被告は彼女に、約束していた金を振り込めないことがあったという。

 検察官「この後にアイコが昏睡強盗をしていますが、それは彼女のためだったのではないですか」

 被告「違います」

 検察官の質問は、防犯カメラ に映った「アイコ」がかぶっていたヒョウ柄のベレー帽にも及ぶ。

 検察官「以前、原宿の竹下通りで友人へのプレゼントを買ったことがあると言ってましたね。いつごろですか」

 被告「2013年10月に、友達のために洋服を買いました」

 検察官「この店では、ヒョウ柄のベレー帽を売っていた。それを買ったんじゃないですか」

 被告「よく覚えてません」

 検察官「犯人はこの頃からヒョウ柄のベレー帽をかぶっています。あなたが用意したんじゃないですか」

 被告「違います。少なくとも自分の意思ではありません」

 さらに検察官が詰める。

 検察官「刑を短くするために、幼児になったんじゃないですか」

 被告「違います」

 真相は、いったい何なのか。次回の公判は、9月9日に予定されている。(塩入彩)