和へ206 広島・アシアナ機事故 | 宮崎光子のブログ

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和へ206 広島・アシアナ機事故


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広島・アシアナ機事故:「逃げて」「赤ちゃん大丈夫か」 乗客動画に混乱の機内

毎日新聞 20150415日 東京夕刊

(写真解説)滑走路脇に停止したアシアナ航空機。左エンジンが損傷し、非常用シューターが展開している=広島県三原市で2015年4月15日午前9時34分、本社ヘリから三浦博之撮影

着陸に失敗して乗員乗客計27人が負傷した14日夜の広島空港(広島県三原市)のアシアナ航空機事故。雨の中、緊急脱出装置で機外に逃れた複数の乗客が撮影した動画には「赤ちゃん大丈夫か」と叫ぶ人や、乗客の悲鳴など、生々しい音声が収録されていた。多くの乗客が「死を意識した」と話す混乱の様子が伝わってくる。

 動画の一つは、韓国で家族旅行をした帰りに事故に遭った広島県安芸高田市の男性会社員(29)が機内から脱出した直後、家族を連れて走って逃げながら撮影したもの。消防車のサイレンが鳴り響き、遠くに機体が見える。暗闇の中、女性が「逃げて! 赤ちゃん大丈夫ですか」などと叫んでいる。

 男性によると、着陸の5分ほど前、高度を下げる機体が大きく揺れた。着陸と同時に「バーン」という大きな音がして上下に揺れ、乗客の女性らの「キャー」という悲鳴が機内に響いた。両側の窓の外に火柱が見え、床から出る焦げ臭い煙で視界が悪くなり、機内は一気にパニック状態になった。

 機体が停止すると、客室乗務員が機体中央の両側の非常口を開けようとしたが、開かない。乗務員までが冷静さを失っている様子を見て、男性は「もうだめかもしれない。外に出られない」と思ったが、後方から「逃げてください」と乗務員の声が響き、何とか機外へ逃れた。男性は「機体が爆発するかもしれないと恐怖でいっぱいだった。家族を守ろうと、急いで逃げた。とにかく焦っていた」と話す。

 もう一つの動画は、別の男性(58)が、機体から脱出した直後にデジタルカメラで撮影した。撮影時間は約20秒。傾いた機体や消防車、逃げる人影のほか、女性が甲高い声で乗務員をののしるような声が収められている。

 事故から一夜明けた15日、広島空港は滑走路の閉鎖が続く影響で航空便の欠航が相次いだ。出発ロビーでは、搭乗予定客らがキャンセルや別便への振り替え手続きをしていた。

 事故機に搭乗していた広島市中区の女性(29)は、事故後に三原市内の病院で治療を受けた後、空港に隣接するホテルに宿泊。事故直前の状況について「硬い物同士がぶつかるような『ドン』という衝撃が2回あり、1回目の衝撃の前に急降下があった」と振り返った。その後機内に煙が充満し、「ギャー」「人殺し」などの叫び声などにパニックになって過呼吸を起こしたという。女性は「怖くて飛行機にもう乗れない。真相を早く知りたい」と語った。【宮嶋梓帆、矢澤秀範、瀬谷健介、菅沼舞】

 ◇専門家ら「操縦ミス」「乱気流」

 アシアナ航空機事故で、同機は滑走路手前の無線アンテナに接触したとみられることから着陸時の高度に問題があった可能性が出ている。トラブルはなぜ起きたのか。専門家らは、気象条件の急変や、パイロットの操縦ミスなどの可能性を挙げる。

 「規定より高度を下げ過ぎたとみられる。さらに下がっていたら、大惨事になっていた恐れがある」。航空評論家の小林宏之さんは、そう指摘する。原因の一つとして考えられるのは人為ミスだという。「広島空港は霧や雲が発生しやすい空港で、事故当時、雲が低いところにあったため、パイロットが滑走路を見つけようとして高度を下げ過ぎてしまったのかもしれない」。航空機がトラブルを抱えていた場合に起こりえることとしては「エンジン系の出力が突然低下したとも推定される」と話す。

 鈴木真二・東京大大学院教授(航空工学)は、乱気流が影響した可能性があるとの見方だ。「局所的に発生した乱気流に巻き込まれて高度が急激に下がったとすると、たてなおしのためにエンジンの推力を上げる必要があるが、間に合わないことがある。最近は気象の急変が多く、気象状況をきめ細かく把握できるシステムづくりは不可欠だ」

 航空評論家の青木謙知さんは「パイロットが自動操縦を解除して手動で高度を下げ、滑走路への着陸を試みることはよくある」と語り、操縦方法とアクシデントとの関係に注目する。「空港ごとに定められた最低高度があるが、今回の事故は、手動着陸の際にそれより低い高度で進入したか、浅い角度で進入したため、機体が無線アンテナに接触した可能性がある」という。【三木陽介、狩野智彦】