栄養士さんから主治医に
私の意向が伝えられたらしく、
その後の診察の日、
改まってお話された。


入院中、
3回目の再発の時に、
食事も取らない代わりに薬も飲まない、
と、ボイコットしたことがあったので、 
おそらく、
またコイツやらかすんじゃないか、
と、思われたんだと思った。


先生は、今までの治療の経緯、
今が一番大事な時なんだ、
ということを、
初めて話してくれた。


なので、私も
大事な時なのがわかってるから、
自分でどうしたらいいのか考えた、
と伝えた。

あと、本で読んだ
薬についても聞いた。


先生は
身体には、恒常性という
常に一定の状態を保つ性能がある、
蛋白尿をほっておくと、
それを補おうとし、
また違うところが誤作動を起こし
どんどん間違いが広まってしまうから、
まずは蛋白尿を無くすことが第一優先で、
そうする事で
身体は正しく機能する事を
思い出してくれるんだ、
と説明してくれた。

確かに薬自体が病気を治してくれない、
でも私の身体には必要なものだ、
と。

そして、
これまでのことを、
治るわけない、なんて
寂しいことを思わないでほしい、
とも。



ステロイドを飲んでると、
病気になる前より
もっと具合が悪くなっていくように
感じることが多々ある。


それを飲まないわけにはいかない
こちらも辛いけど、
飲ませる立場の先生も
相当辛いのだ、
と知った。



あと、ちょっと冷静に
恒常性について考えた。

やはり、
ステロイドの副作用だから
と甘んじているより、
体型も元に戻した方が
身体の中身も
元に戻るのではないか。

私の身体に
これ以上のカロリーは必要ない
という考えに
太鼓判を押されたように感じた。



先生は治療中
頑張ろう、とか、頑張ってるね、とか
私に直接言ったことはなかったけど、
通院最終日、
カルテにデカデカと
完全寛解  と書きながら
「一時はどうなるかと思ったけど、
本当によく頑張った!!
僕も勉強になったよ!」
と言ってくれた。



その13年後、
今の職に転職して、
偶然にも、
自治医大小児科で腎臓専門の先生を
されていらっしゃる方を担当した。
その方から、
主治医だった先生から色々教わったと、
そして先生は数年前に大学を辞め、
開業して今も現役でご活躍されている、
と伺った。


先生、お元気で本当になにより。
もしまたいつかお会いできたら、
嬉しいなと思う。