主治医には、
勉強の遅れが不安だ、
という名目を理由に懇願し、
何事もなくステロイドを5mg減らせたら
普通の学校に戻っても良い、
とお許しを得た。
やる気満々で立ち読みした医学書には、
統計と傾向と予後については書いてあっても
治し方については載っていなかった。
それより驚いたのは、
治療薬だと思って飲んでいた
プレドニン、エンドキサン、
ペルサンチンは、
抑制剤だった、
(語弊はありますが)
ということだった。
今でこそ、
風邪薬すら症状を
抑えるだけな事も知ってるけど、
当時は、
薬が治してくれると思っていたので、
なかなかの衝撃。
そして、
そりゃ治らないわけだ、
と、妙に納得した。
でも、治さなければ。
本によると、
症状を抑えてるうちに
そのまま寛解する、
と書いてある。
(詳細は理解できず、
イメージ読み)
その、症状(炎症)を抑えられてる間、
なにが起こっているのか。
炎症が身体の悪いところを治すのに、
炎症を起こす力を抑えられたら、
一体なにが治してくれるのか。
そこで、
薬以外で体内に入れるもの、
食べ物について考えてみた。
退院後、担当の栄養士さんが付いて、
ネフローゼ食についての説明を受け、
定期的に食事内容表を
チェックしてもらっていた。
当時のネフローゼ食は、
高カロリー高タンパク、減塩食。
けど、私は入院以来、
体重が28kg増量していた。
ネフローゼ食はおいといて、
運動もしない生活の私に
これ以上のカロリーは
必要なのだろうか。
普通に
健康になるような食事の方が
いいのではないか。
それで栄養士さんにも相談し、
必要な栄養は摂取し、
総カロリーを減らす許可を得た。
栄養士さんは、
だいたいの患者さんは
言うことを聞かず
手を焼いていたので、
こんな風に提案して
積極的に取り組む患者に
驚きつつ喜んでくれた。
時々、自宅にも呼んでくれて、
ご飯の作り方を教えてもらい、
夕飯もご馳走になったり、
とても良くしていただいた。