先日のネフローゼについて
続きを少し。
私が入院していた小児科は、
「自分で治す意思のある人しか面倒みない。
だから、名前が自治医科大学なんだ」
という教えが敷かれていた。
もちろん、
辛い治療を拒む子供に叱咤激励を込めて、
愛情から発した大ウソなのですが、
(私を含め)結構マジにビビって
皆ソコソコ言うことを聞いていた。
そして、
そのウソが本領を発揮したのが
退院後。
小学5年だった学業も、
退院する頃には中学生になっていた。
退院後も院内学級に通い、
小学クラスと同じ教室で、
同じ病棟だった皆と、
変わらず平和に過ごしていた。
そんな自宅療養中、
旧友たちが制服姿で
時々遊びに来てくれた。
久しぶりに会う友人は、
皆いつの間にか背が伸び、
制服がより一層大人っぽく見せ、
友人たちも
私のステロイドによる変貌ぶりに
驚いたと思うけど、
私もそのキラキラぶりに驚いた。
そして話題は中学生活について。
「先輩」「部活」「朝練」「中間テスト」
発する単語が
少女漫画の世界。
なにそれ。
私も○○先パイとか、
呼んでみたい。
剣道部?
別マの漫画も主人公は剣道部だった。
校舎の裏に呼び出しで告白とか、
本当にあるの?
っていう、
夢と妄想が止まらない。
ていうか、
私もそっちの世界に入りたい。
そして、母と一緒に
スーパーに買い物に行った時、
中学校のジャージ着た男子が
アイス食べながら下校していた。
見憶えのある顔。
背中のゼッケンの名前を見たら、
ひとつ年上の、
初恋の人だった。
早く、普通の中学校に戻らないと、
また卒業しちゃう。
ていう、
まさかの不純な動機から、
本気で病気を治したい
という
闘志に火がついた。
そして、
制服着るために、
痩せなきゃ!!
という
乙女心にも火がついた。
それから、
院内学級の帰り
病院の書店で医学書を読み、
腎臓食や食品交換表の本を買い揃え、
徹底した自己管理に取り組んだ。