原発がいかに恐ろしいか

放射能は目に見えない、臭いもしない、味もない。しかしDNAを破壊する。
DNAとは遺伝情報を司るところで、異常な遺伝子情報によって子孫に重大な影響をおよぼす。

また、10年、20年後にガン、白血病をひき起こす。 チェルノブイリの原発事故の例では、人間にかぎらず牛、馬にいたるまで奇形児が多く生まれている。

人間の体が壊される

急性障害の例では、H.11年 茨城県東海村における核燃料加工工場における「臨界事故」であり、現場で作業していた大内さん、篠原さんの二人は、大量被爆により数十日間もの凄い苦しみの果てに死亡。解剖後の細胞内染色体がバラバラに切断されていたという。

外部被爆は皮膚に放射線を受けること、内部被爆は呼吸や食物によって放射線を吸収してしまうことを指すが、どちらもDNAを傷つけ、遺伝子情報を狂わせてしまうことでは同じことである。

放射性物質の種類

ヨウ素131・・・甲状腺ガンを引き起こす。とくに幼児や児童に与える被害は深刻。

セシウム137・・・全身の筋肉、生殖器に影響をおよぼす。半減期が30年と長く、その期間、農作物や魚介類を汚染しつづける。

ストロンチウム90・・・骨のガンや白血病をひきおこす。半減期29年。

プルトニウム239・・・「人類が遭遇した最凶の毒物」 といわれており、青酸カリでさえ遠く及ばない。そのうえ半減期が2万4000年と恐れられている。ところが東大の一御用学者は 「プルトニウムは飲んでも大丈夫」 などと放言したが、とんでもないことである。


爆発事故の種類は3種類あるが

もっとも破壊力の大きいのは 「水蒸気爆発」であるが、3.11はそこに至る一歩手前であった。 

放射線計測を専門とし、原発事故研究の第一人者である京都大学原子炉実験所の小出裕章助教は、著書「原発のウソ」の中で、「もし水蒸気爆発がおきれば、福島どころか東京首都圏までも壊滅する。水蒸気爆発がおきなかったのは非常に運が良かった。」と述べているが、私は諸天善神の働きによるものだと思っています。


日本でもっとも危険なのは浜岡、若狭、六ヶ所村

浜岡原発・・・昨年5月、菅首相の要請で停止しており運転中に地震の直撃を受けるよりは危険度がずっと下がるが、核燃料棒をとりだし廃炉にしないかぎりは地震で冷却システムが破壊された場合にメルトダウンや水蒸気爆発が起きる可能性がある。事実、福島では4号機が定期点検で停止中であったが、地震で冷却システムが壊れたため、使用済み燃料貯蔵プールの冷却が困難になり水素爆発を起こしている。このことはすべての原発に言えることである。

若狭湾の原発銀座・・・福井県若狭湾には高速増殖炉「もんじゅ」 を含め14基が林立。しかもこの地域には無数の活断層が群をなし、
ここで地震が発生すればマグニチュード8クラスといわれている。

青森県六ヶ所村・・・ 全国の原発から使用済みとなったプルトニウムやウランを持ち込み再利用するための施設。しかし
再処理を進めるにつれて危険度が高まり、どうにもならなくなっている。

核燃料の再処理では、先の高速増殖炉は、再処理工場で回収されたプルトニウムを燃料としてさらにプルトニウムを大量に生産するため 「魔法のような原子炉」と思われたが、
1994年のい福井県敦賀にて試験運転しようとしたときに事故が発生し、14年間停止。その後の試験でまたもや事故ということで停止し現在に至っている。地震がおきて配管が破断したら破局が」到来する危険な原子炉である。

プルサーマル

高速増殖炉による 「核燃料サイクル計画」 が破綻すれば、六ヶ所村で取り出すプルトニウムは目的を失うため、プルサーマル (プルトニウムとウランを混合したもの)を普通の原発で使用するのであるが、先の小出助教によれば、この危険性を
「灯油ストーブでガソリンを燃やす行為」 という。
ウランの20万倍も毒性が強いプルトニウムを燃料で使用すること自体が、まさに犯罪行為なのである。

六ヶ所村再処理工場に話を戻します。
1998年以来、13年間にわたって全国の原発から使用済み燃料が運ばれ、その量は2800万トンにのぼる。問題は放射性廃液を固体化するためのガラス粉末が溶融炉のノズルに詰まり、それが原因で攪拌棒が抜けなくなる事故が発生した。2008年10月である。

その結果、固化することの出来ない廃液が240立方メートル溜まったが、これが大問題である。強い放射線を放ち、水を水素に分解するため、
完璧な管理をしないと爆発をおこしてプルトニウムを大量にまきちらす極めて危険な液体なのです。
たったの1立方メートルが漏れただけで、東北地方と北海道の住民は避難しなければならなくなる。いわんや、溜まっている240立方メートルの廃液がが漏れたりしたら、日本全土が大惨事となってしまう。

原発問題の専門家、広瀬隆氏は、この大惨事について、1976年に西ドイツのケルン原子炉安全研究所が内務省に発表した秘密報告書を引用している。その内容は 

「万一冷却装置が完全に停止すると、爆発によって100キロメートルの範囲で全住民が致死量の10倍から200倍の放射能を浴びて即死し、最終的な死亡者の数は西ドイツ全人口の半分に達する可能性がある。」 と記されている。慄然とする内容ですね。ドイツが「脱原発」に踏み切ったのも、メルケル首相にこれらの知見があったゆえと思われる。

地震に弱い再処理工場

もし、六ヶ所再処理工場が巨大地震に襲われたら、どうなってしまうか。
ここは同じく下北半島にある大間原発、東通原発とともに、耐震基準は全国の原発の中でも最低の450ガル(加速度を表す)ですよ。

ちなみに、
2004年の新潟県中越地震が2515ガル、2007年同中越沖地震が2058ガル、2008年宮城内陸地震は4022ガルですよ。しかるに六ヶ所の450ガルというのは言語道断です。

すぐにでも耐震工事をやるべきですが、すでに放射能で汚染されているから近づけないから出来ないのです。

六ヶ所再処理工場には長い配管がとぐろを巻き、その長さ、青森から下関までの距離に匹敵するという。その中を超高濃度の放射性廃液が流れているんですが、前述の事故をやってしまったからです。かくて今、完全に行き詰まった状態なのです。

直下に活断層

そして2008年5月、この六ヶ所の工場の直下に長さ15キロメートル以上の活断層があることが、東洋大・渡辺満久、広島工業大・中田高、名古屋大・鈴木康弘教授のグループによって判明した。(・・・中略) これらが動けばマグニチュード8超の巨大地震になるという。

通産省は知っていた

この「六ヶ所断層」のことは1988年に当時、通産省の工業技術院・地質調査所技官で地震地質課長であった人間がすでに知っていた。しかしこれを隠し、事業者の日本原燃に工事させたのです。

石橋克彦・神戸大教授はこの「活断層隠し」を撤回すべきだと主張。(毎日新聞。2009年3月29日付)

原発利益共同体には、住民の安全など眼中に無いのです。  
(つづく)