※この物語はフィクションです。









2月、外来種のGを500匹購入し、
大きな衣装ケースで育て始めた。
爬虫類のペットの生き餌として需要あり。

6月、Gが10万匹に増えた。
梱包して売り出すつもりだったけど
気持ち悪すぎて触れず。途方に暮れた。

そうこうしているうちに暖かくなり
小アブが大量に湧いた。

100あったSan値が 5になってギブアップ。
衣装ケース内にバルサンを放り込み
終わらせた。

Gの死骸の上に土を盛りハーブを育てる
つもりが、怖くて蓋を開けられず。
衣装ケースをバルコニーに放置して数日経過。


※ChatGPTが作成したイメージ




ふと、衣装ケースの様子を覗くと
全体的に白い斑点が見えた。
近くに寄って確認するとそれはウジ虫だった。
天井にも側面にもびっしりと。
ゾンビ映画でしか見たことのないウジ。

衣装ケースのわずがな隙間に
ハエが卵を産みGの死骸を食べて
育ったのだろうか?
しっかり蓋をししているのに
外にもウジ虫が飛び出していた。

バルサンで殺したはずのGも
数匹が生き延びているようだった。

ゾッとして凍りついた。
100まで回復していたSan値が
いっきに 5になった。



※ChatGPTが作成したイメージ



そのまま倒れるわけにはいかなかった。
仕事に行かないといけないし、
隣人のバルコニーにウジが回ったら事件だ。

とっさにケトルで湯を沸かし、
外に飛び出したウジにかけて茹で殺した。
衣装ケース内はどう始末するか?



仕事の時間になり出かけた。
しかし、G&ウジが気持ち悪すぎて
仕事が手につかなかった。

一旦仕事を抜け出し、東急ハンズで
34種類の害虫を殺せるという殺虫剤を購入。
帰宅して衣装ケースの横にドリルで穴を開け、
殺虫剤を噴射!すべて使い切った。

Gもウジもざわついただけで死ななかった。
むしろ元気になったように見えた。

とっくにSan値はゼロだったけど
最後の力を振り絞り挑んだ。
ケトルで湯を沸かし、衣装ケースの蓋を
グワっと開けて湯を浴びせ流した。
激クサで地獄の光景。

ケトルで沸かせる湯は少ないため
沸かしてかけてを4回繰り返した。
Gとウジのスープができあがった。
吐き気をもよおした。

あらかじめ買っておいた
培養土(ばいようど)30リットルを
衣装ケースに流し込み遺棄した。

何食わぬ顔で仕事に戻った。
早くハーブの種をまいて隠そう。
バラバラ殺人事件の犯人の気持ち。

少し前まで常夏のマレーシアに
移住しようと考えていた自分を殴りたい。
常夏に行ったら見たことのない虫で
ウジャウジャやぞ。
虫が1匹もいない極寒の地に移住しよう。


その夜、1人になるのが怖くて
人で賑わっているサイゼリアに行った。
何気なく注文したドリアだったが…




米つぶの感じが完全にウジだった。うぷっ

















◾️ San値
テーブルトークRPG(TRPG)の『クトゥルフ神話TRPG』における「正気度」(Sanity Points, SAN)の略称です。このゲームでは、キャラクターが超自然的な出来事や恐ろしいクリーチャーに遭遇するたびにSan値が減少し、その結果、キャラクターが狂気に陥る可能性があります。

San値の減少はキャラクターの心理的な耐性を試すものであり、プレイヤーにとってもストーリーの緊張感を高める重要な要素となっています。San値が低下し続けると、キャラクターは一時的または永久的な狂気に陥り、ゲーム内での行動や決断に影響を与えることがあります。

『クトゥルフ神話TRPG』はH.P.ラヴクラフトの作品を基にしており、超自然的な恐怖や未知の存在に対する恐怖が主要なテーマとなっています。そのため、San値はこのゲームのユニークな要素として広く認識されています。