※この物語はフィクションです。


熱帯雨林に生息するGを繁殖させ、
ネットで売るビジネスが気になっていた。
爬虫類のペットの生き餌として需要あり。

悩んで2年ほど経過した。
そしてとうとうポチってしまった。
2月、G成虫1000g(約500匹)が届いた。
開封して大きい衣装ケースに移した。

一般的に害虫とされているG。
鳴かないし臭いも控えめの種類だけど
間近で大量のGを見て気絶しそうになった。

卵ケースを重ねてGの住み家とした。
衣装ケース内の左右にコロニーを作って
真ん中に餌を置いた。
餌はラビットフードを水でふやかしたもの。
給水器も配置した。

衣装ケースの下にパネルヒーターを敷いて
24時間温めた。
2日に1回ぐらいは餌置き場に溜まった
糞や死骸を取り出し、小さいビニール袋に
入れて密封して捨てた。

3月に入った頃には幼虫が誕生し始めた。
お腹の中で卵を孵化(ふか)させてから
幼虫を産出するタイプ。

幼虫は白く透きとおって米粒ぐらいの大きさ。
1回の産出で10匹ぐらい確認できた。
気持ち悪いはずなのに神秘的。
パネルヒーターの効果なのか
じゃんじゃん産まれていた。

4月、Gが体感で5,000匹に増えていた。
臭いは控えめと聞いていたとおり、
本当に控えめで少し土のにおいがした。

5月、Gが体感で10,000匹に増えていた。
餌置き場の掃除をサボるとすぐに糞が溜まる。
ラビットフードだけでは飽きるだろうと思い、
リンゴや食パンを適当に切って与えた。
食いつきが良く、次の日には跡形もなく
なくなっていて恐怖を覚えた。

6月上旬、暖かくなってアブが沸き始めた。
においでアブを集めて殺すアイテムを置いた。
そこそこ効果があったけど、
余計にアブを引き寄せている感じもした。
寝ているときにアブで目が覚める。

青い光でアブを集めて感電死させる
装置(家庭用)も置いた。
家の中でパチパチ感電死する音が聞こえた。
装置の周りに黒い粉が大量に落ちていて
絶句した。

だんだんGの臭いがキツくなってきた。
土の匂いだったはずがアンモニア臭も
してきた。アブの焦げた臭いも…

夜な夜なGを外に持ち出して
近所のドブ川に衣装ケースごと
捨てる計画を考え始めた。
しかし、自分が住む街を汚したり、
近隣住人に迷惑をかけることは
できなかった。

6月中旬、Gが10万匹に増えていた。
増えたのだから梱包して売り出せばいいのに
気持ち悪くてGを触れない。梱包とか無理。

毎日SAN値が削れた。
2月に100あったSAN値が5になった。
無意識のうちにバルサン(霧タイプ)を
購入していた。

いきなりバルサンしゅうううでは
可哀想だから、Gにレクイエム(鎮魂歌)
を聴かせた。

「今日の日はさようなら」という曲。
Gも僕も泣いていた。




衣装ケースをバルコニーに持っていって
バルサンを放り込み終わらせた。
家の中もバルサンを施した。

「SAN値が限界だったんだ。
 許してくれ、しゅううううううう…
 お前たちの分もしっかり生きるぞ。」

愛情を注いで育てたし、
最後はレクイエムも聴かせたのに
10万匹の地縛霊が取り憑いたようだ。
何もいないのにワサワサする。
許してくれ、しゅううううううう…

10万匹の死骸が転がる衣装ケースに土を張り、
虫除け効果のあるペパーミント(植物)を
育てることにした。はよ育て!



ペパーミント






◾️SAN値(Sanity、正気度)が削られて限界に達すると、一般的には次のような状態になります。これは主にテーブルトークRPG「クトゥルフの呼び声」における設定に基づくものです:

1. 精神的な崩壊:SAN値が限界に達すると、キャラクターは精神的な崩壊を経験します。これは一時的なものか、長期的なものか、あるいは永久的なものかもしれません。

2. 一時的な狂気:SAN値が急激に大きく減少した場合、一時的な狂気に陥ることがあります。これにはパニック、幻覚、錯乱、記憶喪失などが含まれます。この状態は通常、数分から数時間続きます。

3. 長期的な狂気:SAN値が少しずつ減少して限界に達した場合、長期的な狂気に陥ることがあります。これは持続的なパラノイア、恐怖症、強迫観念、妄想などの形で現れ、数週間から数ヶ月、あるいはそれ以上続くことがあります。

4. 永久的な狂気:SAN値が完全に尽きた場合、キャラクターは永久的な狂気に陥ることがあります。この場合、キャラクターは完全に正気を失い、もはや正常な判断や行動ができなくなります。この状態は回復不能であることが多く、キャラクターとしての使用が困難になることが一般的です。

これらの影響はゲームの進行や物語に大きな影響を与えます。ゲームマスターとプレイヤーは、これをうまく活用してストーリーを展開させることが重要です。

もし実際の心理学的・医学的な文脈で「SAN値限界」と類似する概念がある場合、それは深刻な精神的・感情的な危機状態を指し、専門的な治療や介入が必要となります。





◾️ジェノサイド(Genocide)は、特定の人種、民族、宗教、または国民の一部または全体を意図的に絶滅させることを指します。この用語は、1944年にラファエル・レムキンによって造られ、1948年に国際連合によって採択された「ジェノサイド犯罪防止及び処罰に関する条約」において法的に定義されました。ジェノサイドは国際法において重大な犯罪とされており、その行為は以下のような形態を含むとされています:

1. 殺害:特定の集団の構成員を殺害すること。

2. 重大な身体的または精神的危害を与えること:特定の集団の構成員に対して、重度の身体的または精神的な傷害を与えること。

3. 集団の生活条件を意図的に悪化させること:特定の集団の生活条件を意図的に悪化させ、肉体的な破壊をもたらすような行為(例:飢餓、病気の蔓延を引き起こす環境を作り出すこと)。

4. 出生の防止:特定の集団内での出生を防止する措置を講じること(例:強制不妊手術)。

5. 子供の強制移送:特定の集団から他の集団への子供の強制移送。

ジェノサイドは、第二次世界大戦中のホロコースト(ユダヤ人の大量虐殺)をはじめ、1994年のルワンダ虐殺や20世紀初頭のアルメニア人虐殺など、多くの歴史的な事例で行われてきました。このような行為は国際社会によって強く非難され、国際刑事裁判所(ICC)などの法的機関が関与して処罰されることがあります。