本年もよろしくお願いします。
12月は師走だけあって、忙しく時間が過ぎていきました。
記事の更新ができておりませんでしたが、
今回からは新たなシリーズで、ホームケアについて書きます。
まずは、発熱時のケアから始めます。
お子さんの発熱の原因を考えるのに、年齢の要素は大事です。
例えば、
新生児の時
生後3か月未満の時
生後4か月から1歳までの時
1歳から3歳までの時
3歳から小学校入学まで
小学校以上
と、発熱の原因は違い、また、お子さんへの対応も異なります。
今回は、新生児から生後3か月未満の子が発熱を出した時を想定した記事を書きます。
この時期は家でケアをするというより、受診するタイミングが大事です。
というか、まずは受診されてください。
新生児は生後1週間未満と教科書的に記載されていますが、ここでは生後1か月未満の子までを含めてます、
生後1週間未満は、周産期の問題(GBS(B群溶連菌)感染症など)があり、まだ産後の管理下にいることが多く、発熱がでたら、しっかりと熱源精査を行います。
重症細菌感染症の精査であるsepsis(敗血症) workupといって、細菌培養検査(血液、尿、髄液など)、髄液検査(腰から穿刺して、髄液を採取して調べます)、尿検査(カテーテルを尿道から膀胱に挿入して、無菌的に採取します)を行います。
産科を退院した、生後1か月未満の子は、風邪から尿路感染症、細菌性髄膜炎などの重症細菌感染症まで幅広く考えて診断して対応します。
兄弟がいると、赤ちゃんでも風邪をひきます。
移行免疫と言って、お母さんのお腹の中でお母さんからの免疫をもらっていますが、全てを守れる訳ではありませんよね。
初乳からも母乳中の抗体(ウイルスや細菌などのバイ菌と戦う武器のイメージ)ももらっています。
生後3か月未満の発熱を出した子は、重症細菌感染症の鑑別をする取り組みが昔から行われてきました。
15年くらい前(2006年ごろ)、細菌性髄膜炎予防のために、
肺炎球菌ワクチンとHibワクチンが導入されました。
皆がちゃんと受けたお陰で、細菌性髄膜炎に罹る子がすっかり見なくなりました。
今では、その考え方が変わってきている印象です。
ワクチン導入以前(15年前)は、細菌性髄膜炎に罹った子を、年に数回経験していました。亡くなる危険性もあるので、緊張感の高い日々ででした。
なぜか、当直の時ばかり。。。引き寄せる。
最近は、生後2か月の子の発熱の原因はワクチン接種後の発熱も比較的多くあります。
基本的に、1日で解熱します。熱が持続する時は違う原因を探す方が良いです。
生後3か月未満の子が発熱を出した時は、原則として受診することをお勧めします。
入院しての熱源の精査が必要になるケースが多いです。
急いで夜中に受診するか、翌朝まで待つかの判断が必要になります。
緊急性を判断する目安としては、
顔色がいつもと変わらないか
活気は普段と比べてどうか
ちゃんと哺乳ができて、いつものように吸い付いているか、飲めたミルクの量はどうか
おしっこは出ているか
いつも通りに寝られているか
これらが大丈夫な時は、翌朝まで待ってから受診すると良いです。
ただ、この判断は慣れていないと難しいです。
電話相談事業#8000
が、全国的に整備されていますので、応対してくれる看護師さんに相談されるのが良いです。
尿路感染症は腎盂腎炎にまで至る重症な感染であることもあり、膀胱炎とは違って、腎臓にダメージが来ます。
細菌性髄膜炎は減ったと言っても、油断すると見逃すので、忘れてはいけない疾患です。
4年前に、いくつかの病院を受診したのに、発熱が4日間続いて、ぐったりした子(生後5か月)が、午前の診察終わりに新患で来て、慌てたことがありました。
大きな病院に転送した結果、肺炎球菌性髄膜炎の診断でした。
肺炎球菌ワクチンでカバーできない菌株だったようです。
しかし、ワクチンを3回受けていたおかげで、後遺症なく成長しております。
今回は、3か月未満の子を念頭に置いて書いたので、熱が出た時の受診の目安になるように、書きました。
次回は、熱を出した時の自宅で出来る事を書きます。
今回の「月のご神託カードは、虚空蔵 月齢24 「隠れた能力が開花し、絶好調になれる時」とのメッセージです。