2011.03.11




あの日は…

商業施設で働いていたわたし

高層階の休憩所に居た


偶然隣にいた若い男性と

何かどこかが変だ?

と周りをキョロキョロ

何でもなさそうだけど

でも何かがおかしい?

※多分微弱揺と微弱音がしたんだと思う

あれ?揺れてる???

と2人顔を見合わせた瞬間

下からドンッと突き上げられ

少し体が空いて飛び跳ねた


わたしと男性は目の前のテーブルを押さえ

後ろで休憩中の人たちの

熱いお茶とコーヒーをかぶり

自分たちが押さえてるテーブル以外は

意思を持ったように大きく動き回り

容赦なくぶつかってくる

大きな揺れに耐えていた


驚きすぎて声も出ない…


揺れが収まり休憩所から逃げ出していく人々

わたしと男性は倒れたテーブルを戻し

アッチコッチに飛び跳ねて行った灰皿を集めて

タバコの火を消し 

灰を消化バケツに全て入れ

お互い何かを確信したように頷き

各々の売り場へ戻った


施設内にいたお客様を避難誘導し

あんなに寒いなか

だだっ広い公園に身を寄せ

困惑している方達に【安全な場所なので】

というしかなかった自分が今でももどかしい


電車がいつ動くのかもわからない

いや電車は停まったままだろうと感じていた

少しでも帰宅の協力を…

何にも情報がないさなか

近くのバス停をご案内し

差し出された手帳に大きな通りで

家の近くまで帰れるであろう

大まかな地図を記入し続けた

近くのコンビニで水分と糖分の購入も勧めた


ありがとうと温かいハチミツレモンを

手渡してくれたおばあちゃまの顔は

今でも覚えている


わたしも売り場に戻る時

コンビニで少し多めにお茶や水

チョコやクッキーパンなど購入して

売り場のフロアにいる人たちにも購入を勧めた


商業施設から解散命令が出たのは21時近く

もちろん電車は停まったまま

途方にくれるフロアの人たちにも

残る人たちには購入した品物を差し出し

帰れる人には大まかな地図を記入し

最近引っ越したばかりで方向が分からないと

泣きじゃくる女性と徒歩で帰宅

途中旦那様から偶然電話がつながり

都内の環七内側は車の渋滞がひどいので

土手あたりで待機するよう伝え

無事に合流しわたしも家まで送ってもらえた


あの日の出来事は今でもふと思うことがある

不安に駆られる人たちに

どう寄り添えばいいのか

どう不安を取り除いてあげられるのか

わたしにできることは何なのか


今でも答えは出ないけど

あの日の出来事には

ミラクルを感じることもあった


人のつながりに感謝の日だった