前回からの続き…
眠れないまま明け方が近づいていた。
なんでそうなったかあんまり覚えてないんだけど…私は気づくとリビングのこたつの中で全裸になり、顔までこたつの中に入れてうずくまっていた。私はこたつの中で自分の犯した罪を償っていた。
全部罪を償えば、元通りの平凡な日常が戻ってくると内側から言われた気がして、必死になっていた。自分で償える範囲すべての罪を言葉にしたあと、私は恐る恐るこたつの中から顔を出した。いつの間にかもう外は明るくなっていた。
すると、そこにはいつもの優しい顔をした夫がいた。昨夜見たあの殺人犯のような怖い目つきをした夫はどこにもいなかった。
夫は「子どもたちが起きてくるよ。変に思うから早く服を着よう。」と私に優しく諭した。
私は状況が飲み込めなくて、夫に手伝ってもらいながら服を着た。そしたら、子ども達が下りてきて、それぞれ学校へ行く準備をして、おかしくなったママにぎこちない笑顔を浮かべて「行ってきます」と行って登校していった。
多分その時に自分がホントにおかしくなったことを理解して、でも自分ではいつもの自分に戻ることが出来なくなっていた。
その時ようやく、夫からの「子どもたちのためにも病院へ行こう」という提案を受け入れることが出来た気がする。
少し話を戻すと…
冒険に出かける身支度ができた私は内側の存在から、次々に信じられないことを聞かされていた。
確か、まず私は夫と同じように「二重人格」だと告げられた気がする。
告げられたと言っても私の場合は声として聞こえてくることはなくて、ビジョンが見えたりや感覚からそう感じ取るタイプみたいだった。
そして、幼い時に両親から虐待を受けていたとも告げられた。でも私の記憶では暴力を振るわれた記憶はなかったので反論すると、辛い記憶はすべて二重人格のもう一人が担ってくれたんだと。
私は4人兄弟の末っ子なんだけど、きょうだいの中で一番気の合う姉といつも私の味方をしてくれていた祖母は実際には存在しないとも告げられた。虐待を受けたもう一人の私が作り出した架空の存在なのだと言うのだ。
はなまた父親は実は双子で、本当の母親は別にいて、それが保育園時代の大好きな先生だと言うじゃないか。
その後も、両親から虐待を受けて施設に預けられたんだけど、その施設でも虐待を受けたとか。
その施設が実は私が数年前まで働いていた保育園で、表向きは保育園なんだけど実は親から虐待を受けた子を受け入れている施設なんだとか。
私が勤めていた保育園の園長は「千と千尋の神隠し」の「湯婆婆」で私はそこで「千」として働いていたとか…
もはや、連続ドラマや映画にでも出来るんじゃないかってくらいの内容だよね…だいぶ色々混ざっちゃってるけど笑
次から次へとまぁ、普通の精神状態の人なら、この辺であり得ないただの妄想って気づけるんだろうけど、その時の私はそれを全部が全部ホントのことなのだと思い込んでしまったからさぁ大変
しかも、それで終わらなくて今度は
「ホントのお前は障害者だ」と告げられた。
私が「耳が聞こえないとか?」と聞くとどこからか「カチっ」と音がなって正解と言われた気がした。
それで質問をしていく度にまた「カチ」っと鳴って、本当の私は「字もかけない」「計算もできない」「手足もない」「目も見えない」ことなどが次々に判明して、どんどん怖くなっていった。
もし、それが本当だとしたら、今私の目の前に見えてる景色は何なんだよ!と怒って言うと、内側からは
「すべて幻想・幻」という返答が返ってきた
そして、次の瞬間、
「そう、あなたは✨光✨そのもの」と内側から告げられた。
「あなたはいるだけで周りのみんなを導く✨希望の光✨」なんだと。
なんか最終的にはいいこと言われたんだけど、その前が衝撃すぎて全くその事実(いや妄想か)を受け入れられないでいた。
今思えば、もしかしたらこれは妄想ではじゃなくて、私の過去生でのことを教えてくれてたんじゃないかなーとも思う。
ただ、その時の私はそんな風に思えなくて、全部が全部今の人生での出来事として受け取ったもんだから、そりゃ〜パニックにもなるわな。って自分でも思う。
もう誰のことも信じられなくなってしまった。
それで内側からは
「自分の犯した罪をすべて償えば最初(誕生)からやり直せる」みたいなのが伝わってきた。
↑これも今思えば、過去生のおかしたカルマの浄化方法みたいなことを教えてくれてたのかなとも思うけど。私はそんな過去生が見える能力とかないから実際のところは分からない。
それで、誕生からやり直せるってことだったから、多分裸になったのかもね。なんで真冬で寒いのにこたつで裸になったんだろうって自分でも疑問だったけど、きっとそうだ。
それからは全裸でこたつの中にもぐって、ずっと内側との対話が続いた。時々ヒントになるような音とか感覚も伝わってきて、自分の記憶には全くないけど、感覚から伝わってきた罪を言葉にしていく作業がしばらく続いた。
例えば外からスズメの声が聞こえると「鳥を殺した?」と内側に聞く。それで正解だとまた「カチっ」と鳴って正解と言われ、一歩ゴール(再誕生)へと近づいていく感じだった気がする。
こたつの強さが勝手に変わって暑くて苦しくなった時は、それがヒントで私が「まさか放火をした?」と聞くとまた「カチっ」となって、正解すると、こたつの温度が元に戻ったりもした。
でも、いくら熱くても途中で外に顔を出すことは出来なかった。なんとなく、また振り出しに戻ってしまう気がしていたから。だから、朝になって夫にコタツの外から私の名前を呼ばれた時もなかなか出ていくことが出来なかったんだなってことも今思い出した。
ちなみにこれは後で夫に聞いた話だけど、「カチ」となるのはコタツから時々鳴る動作音だったらしい。
そして「外からカラスの鳴き声とか救急車の音が聞こえるたびに何か大きな声で話してたよ」とも言われた。
つまり、色々な偶然を勝手に結びつけていただけだったってこと。
そして、ようやく償える罪がなくなったと感じた時に、最初に書いたように夫の優しい声が聞こえて、私はようやく現実世界に戻ることができたのだった。
確かこの後、お風呂に入って、かばんに入れたおいたぶどうパンを夫と二人で食べて、精神病院に連れて行ってもらったんじゃなかったかなぁ。
病院に行く途中で起こった不思議な体験はこの間の記事で描いた通り。
確かその日の病院では薬を処方されて、家に戻ってきて。いつもはそれぞれ別の部屋で寝てるんだけど、今夜は和室で家族4人みんなで寝ようって事になったんだよね。
そして、その夜は昼間に感じていた夫との一体感もずっと続いていて心地よかったし幸せだったなぁ。
ただ、私の意識はその時「宇宙」にばかり向いていて、処方された睡眠薬を飲んでも相変わらずほとんど眠れずにいた。
詳細は忘れちゃったけど、脳内に「スピリチュアル界」「天使界」「闇の組織界」「ハク=龍」とか全部で6人くらいの代表者と私でずっと宇宙の法則について討論してる感じで。
不思議なんだけど、その脳内の会話が隣で寝ている夫にも伝わってる感じがしてた。
それでその脳内会議をしている時に、宇宙の法則の中にある矛盾が見つかって。それを解決する方法を私が気づいちゃって。
「世界を救えるのは私しかいない!」みたくなっちゃったんだよね。これは後から考えれば、統合失調症の人によく見られる「自己肥大」っていう症状だったのかなって思う。
で、それを勇気を出して実行したんだけど(確か「闇の組織」に見つからないように、私がかけてた毛布の表のラベルを剥がして、裏にしてまた身体かけるみたいなことだったと思う)
今思えば、なんてことない行動なんだけど、その時の私にとってはめっちゃドキドキして怖くて勇気のいる行動だったからホント不思議だよねー。
それで、そのミッションは成功して、安心してようやく眠れると思いきや、また脳内会議が始まっちゃって、朝まで目をつぶったまま身体だけ休めた気がする。
処方された薬を飲んで落ち着くのかと思いきや、結局ほとんど眠れずに数日が経ってしまった次の日。私の妄想の中ではさらなる壮大なビジョンと冒険が始まることとなり、ついに精神病棟に入院することに…。
それはまた今度。