安倍元首相の銃撃事件で宗教二世に注目を集める昨今、私も元々はそっち系が専門ということで、最初はおとなしくしていたんですが、取材とか相談とかも入ったりして、SNSでの発言の量も増え、こちらはすっかりお留守になってました。

 

最近は、野党合同ヒアリングや与党のヒアリングなどでも宗教二世問題が話題として挙がり、私の知り合いなどもけっこう呼ばれて話したりしてますね。

 

とか何とかで、新たな宗教二世問題ともいえる「スピリチュアル二世」の問題を書きたいと思います。

 

明日の宗教二世問題「スピリチュアル二世」

宗教二世問題は、最近できた言葉で10年前はそんな言われ方をあまりしていませんでしたね。意味的には「親の宗教的な極端な行動によって、さまざまなマイナスな影響を受けてしまった子ども」ってのが、総じて中心になっているような気がします。

 

これが今、非常に問題になっていて、ついに厚労省が、宗教二世を念頭に置いた通達を自治体に出すほどになりました。

 

さて、宗教二世が問題なら、自分の親がスピリチュアルで例えば適正な医療を受けられないとか、間違った民間療法を受けさせ健康被害を受ける、多額の献金やら貸し出しをスピリチュアルの主唱者に行い家庭が崩壊、ネグレクト被害を受ける、あるいはスピリチュアルや陰謀論の活動に幼いながら参加させる・・・なども十分問題になりえますよね?

 

じっさい、今の自然系のスピリチュアルに似たヤマギシ会なども深刻な二世問題を抱えていることで有名でした。今のスピリチュアルや陰謀論者の中にもヤマギシ会と似た動きをするところは少なくありません。

 

ですので、宗教二世が問題であるなら、当然親のスピリチュアルや陰謀論による極端な行動によっていろいろ被害を受ける子どもたちが今後被害を訴える可能性は十分あります。

 

タイムラグがある二世問題

このカルト問題は、ずっと前から問題になっていましたが、その時には宗教二世問題はほとんど注目されませんでした。

 

じゃあなんで今なの?というと宗教二世問題にはタイムラグが存在するからです。

 

基本、子ども、しかも親の下にいる子どもが社会に向けて発信できる意思も能力も、そもそも発想もないわけで、たいていその問題が可視化されるのは、その影響で苦しんだ子供たちが大人になってからです。しかも大人になってからが長い場合もあります。

 

例えば、今回安倍元首相を暗殺した容疑者の年齢はすでに40を過ぎており、彼が宗教二世としての影響を受けてからすでに20年以上たっていたのです。

 

つまり、宗教二世問題は、可視化されるまでに相当の年月を要するわけで、これがなかなか社会に問題として認知されにくい要因でもあります。

 

スピ系二世の問題が可視化される時間は

スピリチュアルの行なう行為に対する被害もかなり報告されていますが、行政の動きも非常に鈍いのが現状です。その子どもたちならなおさらでしょう。

 

カルトが問題になった1990年代から30年もたって、宗教二世はようやく認識されたわけです。ということは今、問題視、対応があまりなされていないスピリチュアルの場合、もう少し時間がかかっても不思議ではない。逆に言うと、今からそういったことを想定しておかないといけないということでしょう。