陰謀論に騙されて、反ワクチン活動に参加。その影響から来る言動で家族や友人まで傷つけ、最悪警察に逮捕されるなんて事態も起きています。

 

こうならないためにも、陰謀論について客観的に理解するってことは非常に重要です。その特徴について解説していきましょう。

 

陰謀論は固まる傾向がある

これはよく知られていることですが、陰謀論を唱える人は同じ陰謀論を唱える人たちや同種の陰謀論で固まる傾向があるということです。

 

最近の例では、新型コロナウイルス茶番扱い、反ワクチンなどのいわゆる反コロナの陰謀論者たちが、アメリカ大統領選に関する陰謀論(Qアノンなど)と密接につながっていることが知られています。

 

以前にも、東日本大震災人工地震説などの陰謀論者はユダヤ人の影の組織が世界を支配しているというユダヤ陰謀論者だったりしているのです。

 

他にも地球温暖化は嘘だと主張する人間が新型コロナウイルスはインフルエンザと変わらないと主張していたり、変な主張者はいろんな変な主張を複合的に使う傾向があるし、またその仲間でお互いに補完し合うという傾向があります。

 

陰謀論者の頭の中

基本は「自分たちだけが全て真実がわかっているという前提の逆張り」という特徴があります。だからこそ彼らのセリフで、しつこいくらい繰り返されるのが「覚醒」や「目覚め」みたいな言葉です。

 

で、そのわかっている「真実なるもの」は、きちんとした検証もされていない、あるいはとても専門家から見たら耐えることのできないような、かなりいい加減なもので、それらはいわゆる目覚めたと思いたい、専門知識が無い人、さらに直線思考の人の感情にダイレクトに響くように(狙ってであるか結果的にであるかはわかりませんが)提供されます。

 

ですので、それら彼らの「我々だけの知っている真実」なるものは、論理性は全く欠如しながらも、非常に情緒的で強烈にある人たちの心をとらえます。

 

例えば、最近逮捕された「神真都Q」らは、情緒的な反応を引き起こすキーワードとして「子どもたちを救う」という言葉を多用します。そしてワクチン接種から子どもたちを救う、自分たちのリーダーはディ―プステートから人身売買されようとする子どもたちを救った。トランプやプーチンは子供たちの人身売買の組織と闘っているなどの事実無根の陰謀論をまき散らし、彼ら自身それに基づいた情緒的な行動を起こすのです。

 

陰謀論の特徴から見て避けるべき思考方法

これらから見ると、逆に陰謀論の弱点や見分け方も見えてきます。

 

一つは、陰謀論の固まりには近づかないということです。そこは陰謀論だらけの世界観で論理が構成されており、近づいてもまともな情報は得られないのです。もっと言うと陰謀論を語りだしたり、その仲間を紹介されるようになったら警戒した方が良いということです。

 

そして彼らの思考方法「自分たちだけが真実を知っている」「一般社会はすべて間違っている」などという言葉を言い出したら「この人は陰謀論者ではないか?」と疑ったほうが良いです。

 

また「目覚めた」「覚醒した」という言葉を使う人も同様です。それは単に何かの陰謀論に染まっているだけかもしれない。

 

こういった考え方こそ陰謀論者の特徴で、ある種の万能感自己中心性自意識過剰選民意識などのないまぜという特徴がもろ現れてきます。

 

また情緒的な情報が多く、論理性がかけているものも注意が必要です。「子どもたちを救う」などの言葉が本当にそうなのか、きちんと検証しながら見る必要はあります。

 

陰謀論でない情報があいまいになりがちな理由

これも覚えておいた方がよいかもしれない。いわゆる検証もされ、専門家も納得するような情報は、陰謀論者のような「目覚めた」「衝撃を受けた」というような情報にはなりません

 

例えば陰謀論者のトランプ元大統領像は非常にわかりやすいですが、本当に専門的に研究して調べた記述は読めば読むほどいろいろと引っかかる点があるわけで、そういったもやっとしたものが残ることが普通なんです。

 

さらにそういった専門家は「自分たちだけが全て真実がわかっている」なんて考えをそもそもしません。むしろ、わかればわかるほどわからないことが増える、みたいな感じで最終的な結論を保留する場合が多い。現時点での理解ではこのような見方のほうが蓋然性が高い、というような結論が出ることも多いのです。

 

ですので、言い切らない専門家と言い切る陰謀論者で、陰謀論者の方が非常に歯切れよくわかりやすく感じてしまうのはあります(これはワクチンの専門家と反ワクチンの陰謀論者でも頻繁に起こっている)。でもそこが彼らの虚言の入り込む余地なのです。

 

危険ワード

危険な言葉も知っておくと良いでしょう。ただし、これらは手を変え品を変えどんどん変わってきますので、怪しいというものは絶えず追加しておくと良いでしょう。

 

シオンの議定書(プロトコル)、イルミナティ、Qアノン、ディ―プステート、新型コロナウイルスは茶番、5Gで洗脳、ワクチンは人間を奴隷化、ワクチンは有害物質、ワクチンの中身は自分たち以外知らない(やたらと「ワクチンの中身を知ってますか」というがその彼らは知らない)、レプティリアン、反マスク、ケムトレイル、人身売買組織とトランプ/プーチンが戦っている、人工地震、クライシスアクター、有名俳優はCIAに殺された

 

こういった話題を写真や動画で流すものを無批判に見ていたりすると非常に危険です。十分注意してください。