スターシードという言葉が飛び交っていましたので調べてみました。星の子チョビンみたいなものか(←古い)。
ベストセラー作家ブラッド・スタイガーの書いたフィクション的ノンフィクションに登場
ブラッド・スタイガーという作家がいまして、170冊1700万部売り上げたという多作な作家ですが、伝記とかフィクションとか書いていたらしいんですが、古代に宇宙人が来て地球の文明に影響を与えたとする「Ancient astronauts(古代宇宙飛行士説)」を支持していて、その考えを彼なりに発展させた「スターピープル」って本が初出のようです。
このスターピープルというのが、スターシードの事のようです。要は我々の先祖か何かが宇宙のより高度な文明もしくは意識をもつ何某かで、その意識を持つ人間のことを言うらしい。また、爬虫類型人類が人間の世界にいるというレプティリアンについていろいろトンデモ話を広めたデビッド・アイクなどの影響も受けているようです。もちろん、このブラッド・スタイガーの著作も多くの疑似科学が含まれた、いわゆるトンデモ理論で作家で編集者、懐疑主義者のジェイソン・コラヴィトからその点について厳しく批判されています。
http://www.jasoncolavito.com/blog/brad-steiger-the-nephilim-and-the-lizard-people
現在日本で受け入れられているキメラ的スピリチュアルの代表としてのスターシード
ブラッド・スタイガーの「スターシード」はどうもキリスト教的な背景のUFO宗教に近い考えのようですが、現在日本のスピリチュアル界隈ではやっているものとは若干違うようです。
宇宙系(スターシード)の為のWEB情報サイトというのがあったので、見てみたのですが要素としては、正直カオス状態です。
アトランティス、レムリア、ブロック解除、バシャール、ソウルメイト、チャネリング、風の時代、エンジェルナンバー、マヤ歴、カルマ、タロット、パワースポット、八百万の神、ハイヤーセルフ・・・まあ、スピ系の流行りものを全部詰め込んだよう。さらにブラッド・スタイガーの持っていたキリスト教的な要素は漂白されてほとんどなくなってしまっているようですが。
辛いスターシード
気になったのが、スターシードが辛い、孤独という記述が非常に多いことです。要は、スターシードという人たちは周囲と浮くような言動をする人らしいのですが、スターシードについてのサイトの多くはその悩みを解決するより、それは使命だからとか、運命だからとか、計画されていることだから等理屈をつけて諦めるもしくは現状維持を勧めるところが多い。
ある種運命予定論者のような気がします。この態度やアドバイスは非常に危険でして、本当に問題の原因がそこにないとき(というかスターシードなどの妄想の中に原因があるはずもないのですが)に思いっきり間違えたアドバイスをすることになってしまう。
私も時々彼らのアドバイスを聞いたり読んだりしますが、言っては悪いですが、そもそもアドバイスになっていない場合が多い。これは、まともなアドバイスもしてないのにその(虚無な)アドバイスを理屈っぽく見せる舞台装置として、例えばこの「スターシード」って用語をうまく使ってるんじゃないかとさえ思わせてしまいます。
怖い心療内科的な診断やアドバイス
さらに危うさを感じさせるのは、心療内科などの用語であるエンパシやHSPなどの用語が素人的に飛び交っていることです。ここら辺の診断やアドバイスは素人ができるようなものではないのですが、どうもそういったところにも入り込んできているらしい。
つまり、エンパシやHSPなどの疑いのある人たちで、スピリチュアルに関心ある人たちをスターシードと評価して、スピリチュアルビジネスのカモとして利用している疑いが強くあります。そういった人たちが彼らの運命予定説的なアドバイスにもならないアドバイスに依存するようになると怖いでしょうし、文章を読むと依存させることを最初から狙っているようにも読めてしまう。
スターシードともし言われた場合はそのような可能性もあるということを強く疑う必要はあると思いますし、もし心療内科的な問題であれば、そういったスピリチュアルのアドバイスではなく、正規の医療機関に相談した方がよろしいでしょう。