桔梗(ききょう) | Tada's blog

桔梗(ききょう)

【朝露にも、夕影にも】

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花

  萩が花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また 藤袴 朝顔の花」
                               (『万葉集』山上憶良)

 秋の七草に数えられる朝顔は、桔梗のことだと云われています。
 中世の頃は、漢名をそのまま音読みして「きちこう」と呼ばれていたようですが、
しだいに「ききょう」に変化しました。
 か細い茎に、和紙で作ったような一重のしゃんとした花びら。背筋をぴんと伸ばしたような、
楚々とした風情が漂います。

「朝顔は 朝露 負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ」
                               (『万葉集』よみ人しらず)

 朝から咲き続け、夕方にいっそうその艶を増す。
 見習いたいですね。