夜中まで星を眺めていたら月が姿を消し、オリオン座が顔を出してきた。

 

もう夏も終わりなのだなと感じる。

 

冬を代表するオリオン座。オリオンはギリシャ神話に登場する狩の名手。サソリに刺され苦しみながら引き取ったため、星となっても夏の蠍座が南の空にあるうちは逃げ回り、蠍座が見えなくなる冬になると空に現れる星だ。

 

このオリオン座、東の空から上がり、西の空に規則正しく沈むその様子は昔から船乗りにとって大海原で方角を示す重要な星座となっていた。

 

日本でも神功皇后が新羅、高句麗、百済へ攻め入った際に導いたとされる住吉三神がオリオン座(ベルトの部分の三連星)である。

 

底筒男命(そこつつのおのみこと)・中筒男命(なかつつのおのみこと)・表筒男命(うわつつのおのみこと)の三柱は東の海から縦に一列に並んでこの世界に現れ、西の海に横に並んで海に帰っていく。神功皇后の凱旋の際にも航海中に方角を示し、無事に皇后を帰港させたことを皇后が感謝し祀り、航海の神としていまでも多くの信仰を集めている。

 

僕の想像ではきっと航海に長けた海の民が皇后に味方し、海の先導を勤めたのだろうな、それは一体どのような人々で、どんな海の技術を持って、どのような旅をしていたのだろう、と古代の日本の航海の物語に想いを馳せたりするのだ。

 

都会の空でも見ることができるこの星を見上げ、大きな海の世界を感じながら季節の変化を感じてみるのは如何だろうか。