「洞窟おじさん」って知っていますか?
30年近く前に、少し話題になった人物です。
中学2年生の時、父親の暴力から逃れるために、
飼っていた犬を連れて家出をした少年。
彼は、そのまま35年間も山の洞窟で生活していたそうです。
人里に下りてきたところを保護され、ニュースになりました。
それにしても、中学2年生が、ほとんど装備もない状態で山に入り、
自給自足で生き延びるって、ものすごいことだと思いませんか。
山に慣れ親しんでいたとしても、「生活する」というのは別の話です。
彼は、山の中でウサギや猿を観察し、
「この動物が食べているものなら、人間も食べられるかもしれない」
と考えて、同じ木の実や植物を口にしたそうです。
また、動物の行動を観察して、
手作りの武器や罠を使って狩りもしていたとか。
以前テレビで見たとき、洞窟おじさんは山に入るなり、
その辺の蔓や枝を使って、あっという間に弓矢を作っていました。
無人島サバイバル番組はたくさんありますが、
“本当に35年間サバイバルしてきた人” の凄みを感じたことを覚えています。
このエピソードで印象的だったのは、中学2年生だった彼が、
山の中で「観察する」ことから始めた、ということです。
周囲をよく観察すると、新しい発見や気づきが生まれます。
そこから問題解決の方法が見つかったり、
アイデアが浮かんだりすることもありますよね。
実は観察することって、コミュニケーションでも
すごく大事なんです。
例えば、何か大事な話をするとき。
「ちゃんと伝わるかな」
「どう思われるかな」
「うまく話せるかな」
そんなふうに、ほとんどの人は
自分が話す内容に意識が向きます。
もちろん、それも大事ですが、
どう伝わったのかを判断するには
“相手がどんな反応をするか”
を見ることの方が、大切だったりしますよね。
人の感情は、表情やちょっとした仕草に現れます。
言葉では「大丈夫」と言っていても、
体の反応では自分でも気づいていない
本音を語っていることもあります。
相手のちょっとした仕草や表情、動きを観察することで、
会話の違和感に気づくことができます。
とはいえ、話しながら相手を観察するのは、
なかなか難しい。
なので、まずは「誰かの話を聞く時」に、
少しだけ観察を意識してみるのがおすすめです。
表情、声のトーンや話すスピード。
視線や指先の動き。
そんな小さな変化を見ていると、
言葉だけでは分からなかったことに気づけるかもしれません。
洞窟おじさんは、生き延びるために周囲を観察していたけれど、
私たちは、人とより良い関係を作るために、
もう少し周囲を観察してみてもいいのかもしれません。


