新年度の授業がスタートしました。
私が担当しているのは選択科目なので、生徒さんたちと関わるは1年間だけ。
だからこそ、この1年で何を持ち帰ってもらうのか、が大事だと感じています。
シラバスはあるものの、テキストや資料を含めて
授業の具体的な内容は担当する先生に委ねられています。
私は毎年、授業の軸となるコンセプトとして
「レジリエンスの力を身につけること」
を掲げています。
レジリエンス(resilience)とは、もともと物理学の用語で、
外からの力によって歪んだものが元の状態に戻ろうとする性質を指します。
心理学では「回復力」や「復元力」などと訳されます。
この概念は、戦時中の過酷な状況を経験した子どもたちの研究から発展してきました。
同じように困難な体験をしても、その後の適応の仕方には大きな違いが見られます。
不眠やPTSDといった深刻な症状に苦しみ続ける人がいる一方で、
回復し、症状とは無縁の生活をする人もいます。
その違いを生み出す要因に着目したことが、
レジリエンス研究の出発点とされています。
授業を受けているのは高校3年生以上の生徒です。
これから先、きっと「人生最大のピンチ!」
みたいな困難に直面する機会もあるでしょう。
そのような状況では、一時的に気力を失ったり、
自分本来の力を発揮できなくなるかもしれません。
でも、重要なのは、落ち込まないことではなく、
そこからどのように立ち直り、再び前に進んでいくか、です。
レジリエンスとは、まさにそのための力。
しなやかな心の強さ、なのです。
一般に、レジリエンスが高い人には以下のような特徴が見られます。
・冷静さ(感情を適切にコントロールできる)
・柔軟性(多様な視点で物事を捉えられる)
・楽観性(状況の中に可能性を見出せる)
他にも、対人関係のスキルや自己肯定感も重要な要素とされています。
もちろん、こうした力は短期間で身につくものではありません。
でも、授業を通してさまざまな考え方に触れ、
自分や他者との関わり方を見直していくことは、
その土台になると思います。
学校で学んだ知識を単なる知識として終わらせるのではなく、
日常で活かせるような形で持ち帰ってほしい。
興味を持って、楽しく学んでほしい。
たった1年間ではありますが、
私なりに工夫し、私自身も楽しんでやっていきたいと思っています。


