請願者たるナジルびと
(1)6-1主はまたモーセに言われた、6-2「イスラエルの人々に言いなさい、『男または女が、特に誓いを立て、ナジルびとなる請願をして、身を主に聖別する時は、6-3ぶどう酒と濃い酒を断ち、ぶどう酒の酢となったもの、濃い酒の酢となったものを飲まず、また、ぶどうの汁を飲まず、また生でも干したものでも、ぶどうを食べてはならない。6-4ナジルびとである間は、すべて、ぶどうの木からできるものは、種も皮も食べてはならない。
イエスはナジルびと
「マタイによる福音書」26章
26-27また杯を取り、感謝して彼らに与えて言われた、「みな、この杯から飲め。26-28これは、罪のゆるしを得させるようにと、多くの人のために流すわたしの契約の血である。26-29あなたがたに言っておく。わたしの父の国であなたがたと共に、新しく飲むその日までは、わたしは今後決して、ぶどうの実から造ったものを飲むことをしない」。
「マルコによる福音書」14章
14-23また杯を取り、感謝して彼らに与えられると、一同はその杯から飲んだ。14-24イエスはまた言われた、「これは、多くの人のために流すわたしの契約の血である。14-25あなたがたによく言っておく。神の国で新しく飲むその日までは、わたしは決して二度と、ぶどうの実から造ったものを飲むことをしない」。
「ルカによる福音書」22章
22-17そして杯を取り、感謝して言われた、「これを取って、互いに分けて飲め。22-18あなたがたに言っておくが、今からのち神の国が来るまでは、わたしはぶどうの実から造ったものを、いっさい飲まない」。
「ヨハネによる福音書」19章
19-28そののち、イエスは今や万事が終ったことを知って、「わたしは、かわく」と言われた。それは、聖書が全うされるためであった。19-29そこに、酢いぶどう酒がいっぱい入れてある器がおいてあったので、人々は、このぶどう酒を含ませた海綿をヒソプの茎に結びつけて、イエスの口もとにさし出した。19-30すると、イエスはそのぶどう酒を受けて、「すべてが終った」と言われ、首をたれて息をひきとられた。
---ナジルびとの満願を表した行為。最後の晩餐では、イエスが杯を手にされた描写はない。
旧約聖書 「士師記」 サムソン13章-16章
男の長髪ちょうはつはナジルびと
(2)6-5また、ナジルびとたる請願を立てている間は、すべて、かみそりを頭に当ててはならない。身を主に聖別した日数の満ちるまで、彼は聖なるものであるから、髪の毛をのばしておかなければならない。
ナジル人は死体に触れてはならない
---衛生、死んだ者への惜別(せきべつ)よりも、生きている者を重視した決め事である。
(3)6-6身を主に聖別している間は、すべて死体に近づいてはならない。6-7父母、兄弟、姉妹が死んだ時でも、そのために身を汚してはならない。神に聖別したしるしが、頭にあるからである。6-8彼はナジルびとである間は、すべて主の聖なるものである。
(4)6-9もし人がはからずも彼のからわらに死んで、彼の聖別した頭を汚したならば、彼は身を清める日に、頭をそらなければならない。すなわち、七日目にそれをそらなければならない。
(5)6-10そして八日目に山ばと二羽、または家ばとのひな二羽を携えて、会見の幕屋の入口におる祭司の所に行かなければならない。
(6)6-11祭司はその一羽を罪祭に、一羽を燔祭にささげて、彼が死体によって得た罪を彼のためにあがない、その日に彼の頭を聖別しなければならない。
(7)6-12彼はまたナジルびとたる日の数を、改めて主に聖別し、一歳の雄の小羊を携えてきて、愆祭(けんさい・あやまる)としなければなたない。それ以前の日は、彼がその聖別を汚したので、無効になるであろう。
---イエスは、ゲッセマネの園で苦杯を飲まれ、その聖別の日数が満ちたとき、十字架上でご自身を主にささげられた。同時に、その請願であった、個々人の「人の罪を除き去る」という、神のみわざが成った。
(8)6-13これがナジルびとの律法である。聖別の日数が満ちた時は、その人を会見の幕屋の入口に連れてこなければならない。
(9)6-14そしてその人は供え物を主にささげなければならない。すなわち、一歳の雄の小羊の全きもの一頭を燔祭とし、一歳の雌の小羊の全きもの一頭を罪祭とし、雄羊の全きもの一頭を酬恩祭とし、6-15また種入れぬパンの一かご、油を混ぜて作った麦粉の菓子、油を塗った種入れぬ煎餅、および素祭と灌祭を携えてこなければならない。
(10)6-16祭司はこれを主の前に携えてきて、その罪祭と燔祭とをささげ、6-17また雄羊を種入れぬパンの一かごと共に、酬恩祭の犠牲として、主にささげなければならない。
(11)祭司はまたその素祭と灌祭をもささげなければならない。
(12)6-18そのナジルびとは会見の幕屋の入口で、聖別した頭をそり、その聖別した頭の髪を取って、これを酬恩祭の犠牲の下にある火の上に置かなければならない。
(13)6-19祭司はその雄羊の肩の煮えたものと、かごから取った種入れぬ菓子一つと、種入れぬ煎餅一つを取って、これをナジルびとが、その聖別した頭をそった後、その手に授け、6-20祭司は主の前でこれを揺り動かして揺祭としなければならない。これは聖なる物であって、その揺り動かした胸と、ささげたももと共に、祭司に帰するであろう。
こうして後、そのナジルびとは、ぶどう酒を飲むことができる。
6-21これは請願をするナジルびとと、そのナジルびとたる事のために、主にささげる彼の供え物についての律法である。このほかにその力の及ぶ物をささげることができる。すなわち、彼はその誓う請願のように、ナジルびとの律法にしたがって行わなければならない』」。
以上、ナジルびとのための律法
アロン家によるイスラエルの祝福
6-22主はモーセに言われた、6-23「アロンとその子たちに言いなさい、『あなたがたはイスラエルの人々を祝福してこのように言わなければならない。
6-24「願わくは主があなたを祝福し、
あなたを守られるように。
6-25願わくは主がみ顔をもってあなたを照し、
あなたを恵まれるように。
6-26願わくは主がみ顔をあなたに向け、
あなたに平安を賜わるように」』。
6-27こうして彼らがイスラエルの人々のために、わたしの名を唱えるならば、わたしは彼らを祝福するであろう」。
ナソ:ナジル人
第7回 マタイ2章3章1~12節 洗礼者ヨハネの宣教
洗礼者ヨハネがユダヤの荒れ野に現れ、人々に回心を呼びかけます。荒れ野とは旧約聖書の伝統では神以外により頼むもののない場であり、そこでイスラエルの民が試みを受けて神に背いた場であると同時に、神との新しい出会いを体験し親しく神の配慮と教育を受けた場でもあります。洗礼者ヨハネはユダヤの荒れ野に現れ、人々に回心を呼びかけますが、その動機は天の国がまさに到来しようとしているからです。
【新共同訳】マタイによる福音書
◆誓ってはならない
5:33 「また、あなたがたも聞いているとおり、昔の人は、『偽りの誓いを立てるな。主に対して誓ったことは、必ず果たせ』と命じられている。
5:34 しかし、わたしは言っておく。一切誓いを立ててはならない。天にかけて誓ってはならない。そこは神の玉座である。
5:35 地にかけて誓ってはならない。そこは神の足台である。エルサレムにかけて誓ってはならない。そこは大王の都である。
5:36 また、あなたの頭にかけて誓ってはならない。髪の毛一本すら、あなたは白くも黒くもできないからである。
5:37 あなたがたは、『然り、然り』『否、否』と言いなさい。それ以上のことは、悪い者から出るのである。」