黄金のオーラ（6）

「山びこで生じた雪崩に襲われた気分でしたが。あなたのおかげで救われましたよ」
自称ファンタジスタらしいまだるっこしい比喩で噛みそうになりながら、男は彼女に感謝を伝えた。

「レスパラソンキャキャ」

彼女は蠱惑的な上目遣いで言った。

さすが世界を股にかけるフリージャーナリストだ❗️男は内心感嘆した。なんという多彩な多言語の合いの手❗️日本語しかできないなんちゃってファンタジスタには全て不思議の国のオノマトペに聞こえたが。

男は、うちに帰ったら録音を翻訳機にかけて何語で何を喋っているのか調べてみようと思った。変態の男は、彼女の美しい声音を秘かに録音しているのであった。