2002~2003年当時のカンパニョーロのシロッコですが、フロントハブのオーバーホールに挑戦してみました。分解図はカンパニョーロのWebサイトに奇跡的に残っておりました。




scirocco_front


HB-RE*はレコード、HB-CH*はコーラス、HB-ZO*はゾンダのパーツ、ということですネ。この通り構造はとてもシンプルです。構造としては「カップ&コーン」で、小さな玉受け(玉押し)がHB-CH004です。
分解するためには13mmのハブコーンレンチが「2本」必要です。PARKTOOLのものを購入しました。

まずはタイヤの左右が判別できるよう、マーキングしておきます。
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ハブコーンレンチを一番外側のロックナットにかけ、左右逆回しに力を入れますが、結構固着していて、力が必要です。「ボキッ」という音と共に緩みました。
ロックナットが緩んでしまえば分解は簡単です。片方のロックナット&玉受けを外してシャフトを抜いてしまいましょう。
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グリスの状態は特に問題なく、オーバーホールが必要、という状態ではなかったといえます。
通常は片方のロックナット&玉受けはこのままの状態にしておきますが、今回は左右どちらも外してしまいました。
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次にベアリング(ボール)を取り出します。
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黒いゴム?のようなものを外せば、ボールが取り出せます。ボールの数は片側10個ずつで、大きさ=直径を測ってみたところ5mmでした。

全てのパーツを外した後、パーツクリーナーで古いグリスを除去しますが、ビニール袋の中で洗うのが簡単でいいです。
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医療薬が入っていたジップ袋を再利用しました。

ホイール側=シャフトが通る穴やボールが収まるところもパーツクリーナーでキレイに洗いますが、これは屋外でやったほうがいいでしょう。古いグリスをスプレーの勢いでキレイさっぱり落とします。全てがキレイに洗い終わったら、グリスを塗りながら組み戻していきます。グリスはシマノのプレミアムグリスを使いました。

まずホイールにボールを組み戻しますが、グリスをたっぷり塗ってやりましょう。片側10個ずつ入りますので、数を間違えないように。

次にシャフトですが、今回、左右のロックナットを外してしまいましたので、まず片側のロックナット&玉受けを固定してしまいます。固着しないよう、ねじ山にはグリスを塗っておきましょう。
ロックナットはシャフトのねじ山が4,5個見えるぐらいのところで固定します。露出したシャフトの長さは4~5mmぐらいでしょうか。

次にシャフトを挿入しますが、もちろんシャフトにもグリスをたっぷり塗ります。これはもうたっぷりと、でいいと思います。

最後に、残ったほうの側の玉受け、ロックナットを組み戻していきますが、こちら側は最後に玉受け調整が必要となります。
玉受けを締めていきますが、ホイールの回転がしぶくなるところまでまず締めて、そこからすこーしずつ緩めていきます。本当にすこーしずつ、です。スムーズに回転するところまで緩めたら、一度そこでロックナットを締めて、バイクにホイールを組み戻します。

ここでホイールを手で回転させて、スムーズに回るかどうかを確認します。さらに左右に動かして、ガタがないかどうかを確認します。回転がしぶい、もしくはガタがあればまたホイールを外して、ロックナットを緩めて、玉受けをちょっと締めて(または緩めて)...という調整を繰り返すことになります。最近のホイールならわざわざバイクからホイールを外すまでもなく、玉受けのネジを調整するだけでいいみたいですが。古いホイールはいちいちホイールを外す必要があって、とても面倒くさいです。

さてこのガタの度合い?ですが、締めすぎると回転がしぶくなりますし、緩めすぎるとガタがでます。
そのちょうどいい具合を見つけるのは本当に苦労します。あまりにこだわりますと作業が収集つかなくなりますので、ほどほどにしておきましょう。

全ての作業が完了したら、一度近所を試走しましょう。整備後にいきなり長距離サイクリングに出かけるのは危険です。