こんにちは。大阪のインテリアコーディネーター事務所Office SPIRALの水田恵子です。

 

先日、久しぶりにインテリアトレンドセミナーを受講しました。

ここ数年、展示会は中止かオンライン開催。

今回、久しぶりに最新トレンド情報を聞くことができたわけです。

 

内装材メーカー、サンゲツさんが提供してくれたセミナーで、タイトルは
『ミラノトレンド2021から今後のライフスタイル、デザインの方向性を読み解く』。
講師は凸版印刷 トッパンクリエイティブラボラトリーの井ノ口氏。
展示会を定点観測してトレンドを分析し、シート材など、トッパンが製造するインテリア仕上げ材の、商品開発に生かされているのですね。

人々のライフスタイルはどのようになっていくか。今後、どんなもの流行るのか。
それを正しく分析し、予測することは、インテリア商材を作るメーカーにとって生命線と言っても良いでしょう。

そんなプロフェッショナルな井ノ口さんがギュッとまとめてくださったセミナーを、わたしなりの覚書も兼ねて紹介します。

  ​ミラノトレンド2021


ミラノで毎年6月に開催されてきたミラノサローネ。付随して行われるイベントをも含めて、「ミラノデザインウィーク」と呼ばれています。
2021年は規模を縮小した「ミラノトレンド2021」が開催されました。

オンライン配信も併用。会場には6万人が来場(コロナ前は38万人)。

今回のセミナーでは、この展示会から読み取れた「人々のライフスタイル分析」と、出展各社のプロダクトから特徴をまとめた「デザインキーワード」の2つの観点にまとめて解説されました。

 

 

 

  ライフスタイル分析

 

サスティナブルが更に浸透


接着剤を使わず、分解やリサイクルが簡単にできる家具、素材を循環させる仕組みづくりなど、自然と人間の営みをより深く調和させる試みを、世界に名だたる家具ブランドがどんどん取り入れて、環境配慮をアピールしています。
カッシーナ社のカッシーナラボでは、自社のデザイン哲学とサスティナブルの融合を研究しているそうです。
日本での意識調査では、Z世代(1990年代中盤~2000年代終盤生まれのデジタルネイティブ世代)はSDGs企業に好感度が高く、そのような企業の製品を購入したい、さらにはそのような企業で働きたいと考えている。また、
買い物をする際は、必要かどうかをきちんと考えて合理的に行動する傾向も高くなっているそうです。
 

おもてなし


コロナ禍を経て、リアルで集まることに新鮮さを感じ、価値が高まっています。
そして、集まるときには、派手な演出よりも、より深く相手と繋がり、語らいたいと考えられるようになっています。


密を避けることが好まれ、屋外スペース、半屋外スペースも積極的に活用されます。そこでは、竹やいぐさなどの素材が重宝されます。

また、ディスタンスを意識して、2人や3人のソファよりも、1人掛けの椅子やアームチェアが選ばれる傾向が見られます。

 


    

確かに、くっついて座ることに違和感を感じるようになりましたね。。。

公共施設では、飛沫感染を避けるため、背もたれの高いハイバックの椅子が選ばれるようになってきているそうです。


 

シックでタイムレスなスタイル


タイムレスとは、時代が変わっても変わらないものを意味します。
過度なデザインよりも、安心感や丁寧さが感じられる仕上げやディテール。
静けさを感じさせたり、現代的でシンプルなものでエレガンスを表現。
また、同じくタイムレスな価値として、職人の手技を感じるもの。

 

 

 

    

より本質的なものに目が向いているのでしょうね。

コロナ禍で、見てみないふりをしていたり、とりあえず置いておいた大切なものを、見つめざるを得なくなった人も多いと思います

 

 

 

  デザインキーワード

 

フレキシビリティ
 

 

例えば、用途に合わせて組み替えて使えるシステム家具や、両サイドから使えるキャビネット。
高さの違うソファやスツールを組み合わせて使う。
デスクの高さをアプリを使って変えられる。

天板がスライドするテーブル。
背板と座面をそれぞれ選んで、自分の好みに組み合わせられるチェア。

 

形は一つにとどまらず、別の部屋に持って行ったり、人数に合わせて変形させられる。


    

家で仕事をする人も増え、より多機能な家具が便利に感じます。
いや、パンデミック前からも、家はさまざまな暮らしの場面を受け止めるものでした。
例えばくつろぐときと、食事の時でテーブルの高さを変えたい、というご希望は以前からありました。今後、よりそういう需要を満たすアイテムが増えそうです。



 

 

コンティニュアス


「繋がり」「続く」
ここでは、内と外のつながり、つまり室内外を分けるのではなく、つながったものとして設ることに注目されています。

アウトドア家具は、より室内用のものに近づき、屋外使用に耐えるものでありながら、肌触りの良いものが出ています。

ソフトフィーリング

曲面を多用したデザインが増えています。円や球形など。

人々の、安らぎを求める気持ちが反映されてます。

​カラー傾向

木の色はライト寄りになる。

不安定からスタンダードへ。

ウォールナット一大時代の終焉か⁈


​その他マテリアルの色

*グリーンが大流行。

彩度の高いグリーン
大理石も、濃い緑のフォレストグリーンがフューチャーされる。

そういう鮮やかなグリーンに、穏やかなアースカラーを組み合わせる。

*グラデーション。
例えば椅子の座面が一色ではなくグラデーションになっているなど。多色のもの。
時の変化や多様性が反映される。


過去の歴史を見て

  今後どうなる?


過去の歴史から見て、疫病や戦争、経済的恐慌など、大きな困難があった後には、デザインはデコラティブに寄っていく。ファッションでも同じ傾向が見られる。
ロマンティックボヘミアンや、80年代テイストなど、楽しい色や形が流行すると思われる。


    

2022のメゾンエオブジェ(パリのインテリア展示会)では、カラフルなアイテムが多数出展されたようで、この預言?は当たってたと言えそうです!



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