ハッピーバースデー🎉 まさしさん。



 こんばんは、平成1年1月11日生まれ、「 1 」になるために生まれてきた男、松尾拓です。



 先日まさしさんが誕生日を迎えたようです。遅ればせながら(笑) こちらで↑ メッセージとさせていただきます。









 さあ、というわけで今回のテーマは「誕生日」、にします!





 誕生日ね〜。




 うん。





 まあ、お察しの通りの感じなんですが......。わりと自分の誕生日って、もうどうでもいいかな、って。何歳だろうが関係ないし、何歳だからどうこうってのも邪魔くさいし。そしてここ最近はリハーサルと重なってるのがほとんどだから、汗だくグチャグチャなバースデーを過ごしてました。

 でも、ケーキ食べられるのは嬉しい! ケーキは小さい頃から誕生日に食べるもの、ってルール(お得意の縛りルール)があって、普段からは食べないようにしてるから、それは嬉しいかも。ケーキはやっぱり特別なもの。だから、ありがたそうに、ちびちび食べます(笑) これもね、ケーキさんに対する礼儀なので。










 20歳。成人を迎える、ひとにとっての節目の歳。



 ぼくは、そのときはまだ歳を重ねることに対してなにか重大な意味を持たせようと躍起になっていたから、じたばたしていた。なにかを成し遂げなければならないと、焦っていた。将来のどこかで振り返った時に、自信を持ってうなずける金字塔を打ちたてようと、目を血走らせていた。

 走り回った。「20歳」という絶好の記念日を盛大に飾るものがどこかに転がっていないか、あっち行ってこっち行って、夢中で走り回っていた、19歳のぼく。


 その大いなる悪あがきの果てに辿り着いたもの。



 それは。







 “ SKY ☆ ダイビング “






 2009年1月11日、冬。

 松尾青年の朝は早かった。
 調べた結果、スカイ・ダイビングを都内でやれる場所はなかった。関東では二ヶ所のみ(どことどこだったか忘れた&どっちに行ったかも忘れた)で、移動に時間がかかるため早起きしたのだ。
 ぼくは、まだ夜の名残をそこかしこに残す東京の中を、電車に揺られながら横切っていく。
 もちろん、空を飛んだ経験は一度もない。いつも見上げるのがぼくに与えられた唯一の役割だ。これまで何度、夢想しただろう。ドラえもんの道具で一番欲しいものは? の問いには必ず「タケコプター」と答えてきた。自由に空を飛んでみたい。この長年の願いが、もうすぐ叶う。現実に起こる。恐れなどいっさいなかった。もともとバンジージャンプとか大好きだったし。というか、あまりに未知すぎて、恐れようにもまず想像がまったくできないのだった。無知とは無敵なり。
 


 お客はぼくのほかには一人だけだった。当たり前だ。年が明けてからまだそんなに経っていない年始の時期に、わざわざスカイ・ダイビングやりにくるバカはそうはいない。
 
 いくつかの説明を受けた、はずだ。誓約書みたいのを書いた、ような気がする。

 スカイ・ダイビング初心者とはいえ、話は至極単純だ。空から飛び降りる。たったこれだけのことである。もちろんインストラクターの方がぴったりと影のように貼り付いていて、パラシュートなどのすべての動きを担ってくれる。本当にぼくはやることなんてないのだ。

 タケコプターではなく、ヘリコプターがぼくらを待っていた。乗り込むと、正月気分など一気に吹き飛ばす轟音を立てて浮上する。そして、旋回しながら上昇していくのだ。

 あらかじめ言っておこう。ぼくは乗り物酔いしやすい。以前スピニンで北海道に仕事で行った時、空港から現地まで車で送迎していただいた。2、3時間。ぼくはほとんど黙り込んでいた。迂闊に口を開けば危険だと熟知していたからに他ならない。これまでの最高記録は、車に乗り込もうとドアの取っ手に手をかけた瞬間に気持ち悪くなった、である。
 ヘリは景気よく何度も何度も旋回しながら上昇していく。ぐるぐるぐるぐる。

 上空3,000メートルに到達した、と誰かが言った。窓から見える景色は、とうに現実味を失っていた。地球は確かに丸いのだと確認できた。

 スタッフがドアを一気に解放した。強烈な空気の塊が渦となって暴れ始めた。耳元で大声で叫ばなければもう何も聞こえない。さあ、一歩踏み出せば、そこはもう夢にまで見た” 空 ”だ。でも、このあたりでようやく実感が湧いてきた。それまでどこか他人事で、テレビでも見ている感覚だったが、ようやく体の芯からのぼってきた、「え、マジで?」

 だが、そんな感慨に浸ることをおじさんは許してくれなかった。後ろについたおじさんは、強引に、

「はい! 3、2、1 !!」

 でヘリからぼくごと体を投げ出した。落下。


「あああああああああああああああああ!!!!!」


 ものすごいスピードで落ちていく。あんな速さであんなに落下したことなんて後にも先にもあの時だけだ。


 そして、思いだしてほしい。いまは1月、冬真っ只中、だということを。
 そして、想像してほしい。その冷えた空気、高度が高いからより冷えてる空気を高速で引き裂いていった場合の、体感温度を。


 顔が、むき出しの顔が......凍える。


 少しして、パラシュート・オープン。





 ぼくは、空にいた。見上げることしかできなかった場所に、行くことができた。それはやはり、そこでしか見ることのできない景色だった。時として言葉は無力となるが、まさにこれはその好例の一つであったと言える。蛇足を承知で、まあ、そこをあえて言うのであれば、うーん......「最高」かな?


 パラシュートとひもで繋がったぼくらは、左右にぶらぶら振られながら地面に近づいていく。ぶらぶらぶらぶら。





 無事、大地に降り立ったぼくは、


 

 ぐるぐる旋回 & 凍える空気 & パラシュートぶらぶら     により、



 
 三半規管をはじめとする体調管理部門各位、相当な深手を負い、つまり、



 めっちゃ気持ち悪くて吐きそう  になっていた。30分くらい動けなくて、ずっと地面と友達になっていた。さっきの感動なんてものの見事に消し飛んだ。



 そんで、5万円くらいでした。わーお。




 素敵なお誕生日、20歳の記念になりましたとさ。やれやれ。




 
 30歳の今年の誕生日は、「三國志」のリハ中で、「曹操孟徳」やってましたね。うん、こちらはなかなか悪くない。




 次は40歳か。




 
 まあ、どうなってるか、楽しみっちゃ、楽しみだよね(笑)