じゃあ例えば。

  自分がまだ高校生だったときには想像すらできなかったこと。

 ぼくで言えば、いまからだいたい13年前。

 2006年、高校2年生。札幌にいて、山の中にある校舎⛰で、メガネ👓で、テニス部🎾で、雨が少しでも降ろうものならくせっ毛全開でイライラしてた、17歳。

 スライド式のケータイをポッケに忍ばせ、そこから伸びるイヤホンを先生からは見えないように工夫して、授業中にずっとラジオを聴いていた。Air-G' 80.4MHz。2時間目の時間帯が最高。


 まさか、ケータイで映画が観られるようになるとは思わなかった。

 まさか、日本人選手がグランドスラムで優勝するとは思わなかった。

 まさか、youtuberなんて職業ができるとは思わなかった。

 まさか、SMAPが解散するとは思わなかった。

 まさか、まさか、まさか。

 まさか、自分が中国武術を習って、ダンスでステージに立ってるなんて夢にも思わなかった。

 役者にはなると思ってた。確信してた。でもそれは、実体のある根拠からではもちろんなくて、なにか神様のような大いなる存在がおれを役者にしてくれるんだ!! と本気で信じきっていただけという、なんとまあ、救えないアホだった、というだけのことなんですが。


 先日スピニンズはイベントで「Urban Ninja」を披露してきました。ほとんど下着に近い、露出しまくりのお姉さんダンサーたちのなか、われらは、われらだけはシックにジャケットで決める、すごい浮きっぷり。
 

 でも、逆に目立って、こっちのもん。

 6人の忍びは、走る、浮く、ビーム避ける、回転する、とステージ上を縦横無尽に埋め尽くし、ヘーイ! と歓声を背にハイタッチ。「spin1.5」の前哨戦を無事に終えてきました。




 出番前、舞台袖で前の出演者のステージを見ながら、ぼんやり考えてた。


 おれ、いつのまにやら知らないところに来てしまったんだな、って。


 芝居の舞台は何度もある。まあそりゃあ、一応役者でやってますからね! そのなかで多少の振り付けをやるとかはあったけど。


 「LEGS」。

 あれがたぶん、分かれ道だったんだと思う。ダンスが禁止された世界で、それでも踊るやつらの一員をやらせてもらったこと。言っても絶対に信じない、「いいか、おまえはいまはラジオ聴いてるだけかもしれないけど、将来 Dragon Ash のダンサーさんと一緒にステージで踊るんだぞ」。

 「spin」でも、ソロ・パフォーマンスをやらせてもらったりして。



 想像なんかしてなかったな。


 だから、この先も、想像してない方向に転がっていくことだってある。

 例えば、将来オランダの川沿いの煉瓦のアパートで暮らしてる、とか、運命的な出会いをしてこのわたしが結婚しちゃう、とか、ね。でも、もう、あんまり想像できない!!



 でも、こう見えて実はスーパーポジティブなわたしなので、起こることは全て、自分のためで、こうならなければ辿り着けないから、こうなっている、と考えるから、どうなったとしても、いいんだと思う。
  まあ、あんまり傷つきたくはないけどね、いくら必要とはいえ(笑)




 とりあえず確実に想像できるのは、「spin1.5」がこのまえよりめっちゃキツくて、ずっと楽しくなるだろうってこと。


  そして。

  明日も運命の人は現れないってこと。

  ね、まさしさん?